印刷(PDF/180KB)はこちらから 2009年09月03日 企業

当社による米国医薬品会社 Sepracor Inc.買収について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)は、米国Sepracor Inc.(本社:米国マサチューセッツ州マールボロ、President and CEO:Adrian Adams、NASDAQ 上場、以下「セプラコール社」)と、当社が現金による株式公開買付け及びそれに続く現金を対価とする合併によりセプラコール社を買収することについて、本日合意しましたのでお知らせいたします。
当社は合意内容に基づき、米国で新たに設立された買収子会社を通じて、セプラコール社の発行済普通株式の総数を総額約26億米ドル(一株あたり23米ドル)で取得する公開買付けを行います。本取引価格は2009年9月1日のセプラコール社株式終値に対して約27.6%のプレミアムを加えた金額になります。
買収後セプラコール社は、当社全額出資の持株会社Dainippon Sumitomo Pharma America Holdings,Inc.(本社:ニュージャージー州、以下「米国持株会社」)の完全子会社となり、マサチューセッツ州マールボロにおいて事業を継続することが予定されています。当社、セプラコール社両社の取締役会はそれぞれ全会一致で本件を承認しておりますが、本件の実行には米国独占禁止法に基づく条件の充足その他一般的な前提条件の充足が必要となります。

1. セプラコール社買収の目的

当社は、グローバル化に向けた事業基盤の整備・強化を掲げた中期経営計画のもと、統合失調症治療剤「ルラシドン」のグローバル開発を推進するとともに、ルラシドンの上市に向けて米国販売体制構築の検討を進めて参りました。

セプラコール社は、中枢神経領域、呼吸器領域等に特化した特徴ある事業を展開する製薬会社であり、米国市場においては、睡眠導入剤「LUNESTA®」をはじめとする複数の高く認知された製品を保有し、開業医から専門医までをカバーする強固な販売網を有しております。

当社は、本買収により、米国における販売体制を整備し、ルラシドンの速やかな市場浸透、早期の売上最大化を図ります。また、セプラコール社の既存製品の売上を加えると当社の海外売上高比率は約4 割に達するなど海外事業が大幅に拡充されるとともに、米国での開発パイプラインも一層強化されます。これにより、米国でのプレゼンスを高め、北米での事業展開を今後さらに積極的に進めて参ります。

当社の代表取締役社長である多田正世は「独自の開発パイプラインを持ち、新薬の上市によって事業の成長を目指すセプラコール社の方針は、当社の経営理念とも一致しております。セプラコール社は、当社の米国における医薬品事業の中核となり、自社グローバル開発品の販売拠点としてだけでなく、戦略的な事業開発拠点としても大いに貢献すると確信しています。」と述べています。

また、セプラコール社のAdrian Adams CEO は、「歴史ある日本の有力企業である大日本住友製薬は、数多くの製品の成功に支えられ、事業および財務面でも強固な基盤を確立しています。両社はビジョン、価値観、戦略を共有しており、本買収によりセプラコール社のパイプラインが拡充され、持続的成長が可能になります。セプラコール社の経営陣は、両社の統合によるビジョンと戦略の実現に貢献できることを喜ばしく思っております。両社の統合は、セプラコール社株主の利益にかなうだけでなく、セプラコール社の従業員にもより魅力的な機会を提供すると確信しております。」と述べています。

なお、当社の財務アドバイザーは野村證券株式会社およびThomas Weisel Partners LLC、法務アドバイザーはPaul, Weiss, Rifkind, Wharton & Garrison LLP が務めております。

2. 買付け等の概要

  • (1) 公開買付け実施者: Aptiom, Inc.
    本買収のため、当社は、買収子会社 Aptiom, Inc.(以下「アプティオム社」)を米国持株会社の完全子会社として設立しました。本公開買付け終了後、アプティオム社はセプラコール社に吸収合併され、合併後の会社は米国持株会社の完全子会社となります。
  • (2) 公開買付けの対象会社: Sepracor Inc.
  • (3) 買付け期間:
    買付け期間はセプラコール社との合意の日(米国時間2009年9月3日)から7営業日以内に開始され、開始後20営業日で終了します。
    なお、合意内容に基づき、買付け条件が充足されない場合は、買付け期間の延長を実施する可能性があります。
  • (4) 買付け価格: 1 株あたり23米ドル
  • (5) 買付け等に要する資金: 約26億米ドル
    セプラコール社発行済株式総数(双方合意した条件に基づく完全希薄化ベース)に(4)の1株あたり買付け価格を乗じた金額を記載しています。なお、買収資金は手元流動性資金および銀行借り入れにより調達する予定であります。ただし、本買収は、資金の調達の完了を条件としたものではありません。 買収後、将来的には、当社の経営状況、財務状況、市場動向などを勘案しながら、幅広い選択肢で、最適な資金調達手段を実行する予定です。
  • (6) 下限応募株式数:
    当社は、セプラコール社発行済株式総数の50%超(双方合意した条件に基づく完全希薄化ベース)の応募があった場合に買付けを行います。
  • (7) 買付けによるセプラコール社株式の保有割合の異動:
    本公開買付け前の保有割合 0%
    本公開買付け後の保有割合 100%(本公開買付けにより、セプラコール社株式の100%を買付けることができた場合)
    なお、本公開買付けによりセプラコール社株式の100%を買い付けることができなかった場合には、(双方合意した条件に基づく完全希薄化ベースで、セプラコール社発行済株式総数の50%超を取得していることを前提に)本公開買付後にセプラコール社を存続会社、アプティオム社を消滅会社とする現金合併を実施することにより、セプラコール社を米国持株会社の完全子会社とする予定です。
    なお、当該合併において交付される対価は、買付価格と同額である23 米ドルを予定しております。

3. セプラコール社の概要

  • (1) 商号: Sepracor Inc.
  • (2) 事業内容:
    セプラコール社は、中枢神経領域、呼吸器領域における医療用医薬品の研究開発、製造、マーケティング、販売の全機能を保有する製薬企業です。同社は米国内において中枢神経領域では睡眠導入剤である「LUNESTA®」を、呼吸器領域でβ2 刺激剤である「XOPENEX®」をはじめとする6 製品を販売しています。
  • (3) 設立年月日: 1984年1月27日
  • (4) 本社所在地: 米国マサチューセッツ州マールボロ
  • (5) 代表者: President and CEO, Adrian Adams
  • (6) 資本金: 11,522 千米ドル(2009年6月30日現在)
  • (7) 大株主及び持分比率(2009年6月30日現在):
    Wellington Management Company, LLP 8.5%(9,377,685 株)
    Fidelity Management & Research 7.6%(8,434,179 株)
    Barclays Global Investors, N.A. 5.6%(6,251,125 株)
  • (8) 上場会社と当該会社との間の関係:
    当社と当該会社との間には、記載すべき資本・人的・取引関係はありません。また、当社の関係者及び関係会社と当該会社の関係者及び関係会社の間には、特筆すべき資本・人的・取引関係はありません。
  • (9) 発行済株式総数: 普通株式110,988,138株(2009年6月30日現在)
  • (10) 決算期: 12月期
  • (11) 従業員数: 約2,100名(うちMR 約1,200名)(2009年6月30日現在)
  • (12) 最近事業年度における業績の動向:

(単位:百万米ドル)

年度2006年2007年2008年2009年
第2四半期
連結純資産 115 228 725 838
連結総資産 1,492 1,403 1,807 1,648
連結売上高 1,183 1,225 1,292 656
連結研究開発費 163 264 337* 132
連結営業利益 153 24 59 140
連結税前利益 152 41 39 132
連結当期純利益 149 34 480** 80
希薄化前1株当たり連結当期
純利益(米ドル)
1.42 0.32 4.42 0.73
希薄化後1株当たり連結当期
純利益(米ドル)
1.29 0.30 4.13 0.70

*:研究開発費はインプロセスR&Dを含んでおります。
**: 繰延税金資産に係わる評価性引当金の減少に伴う影響額を反映しております。

4. 当社業績に与える影響

本公開買付けが成功した場合、一株当たり当期純利益(EPS)は2012年3月期にはプラスに寄与する見込みです。(なお、のれん償却前のEPSは2011年3月期にはプラスに寄与する見込みです。)また、のれん及びインプロセスR&D に関する無形資産は2010年3月期に計上する予定であり、当期の業績に与える影響とあわせて、詳細につきましては確定次第、ただちにお知らせいたします。

以上

<将来予想に関する記述>
本プレスリリースには、重大なリスク及び不確実性を伴う将来の予測に関する記述が含まれています。
過去の事実に該当しない記述は全て将来の予測に関する記述に該当し、これらの記述には、「考えます」、「見込みます」、「計画します」、「予測します」、「可能性があります」、「はずです」、その他同様の表現が先行し、後続し、あるいは含まれる記述、取引にかかる届出及び許認可取得の予測時期に関する記述、取引完了の予測時期に関する記述、様々な取引実行の前提条件を踏まえた取引の実行可能性に関する記述及び上記の前提となる仮定事項に関する記述が含まれます。業績予測、製品販売予測、その他過去の事実に該当しない事項は全て将来の予測に関する記述であり、当社による現在の情勢及び情報に関する現時点の見解を反映しています。投資家及び株主は、これらの将来の予測に関する記述に過度に依拠することのないようご留意ください。現在予測されている事項は、多くの場合当社のコントロールが及ばない事由によって変化する様々なリスク及び不確実性により、実際の結果と大きく異なる可能性があります。実際の結果を予測と異なるものとする事由には、公開買付け及び合併のタイミングの不確実性、公開買付けにおけるセプラコール社応募株主数の不確実性、対抗公開買付けが行われるリスク、様々な取引実行条件が充足又は放棄されないリスク(政府機関が取引完了のために必要な許認可を付与しないこと、許認可の付与を遅延させること及び拒否することを含む)、取引によって従業員、ライセンシー、その他取引先及び政府機関との関係維持が困難となることの影響や、その他当社のコントロールが及ばない事業上の影響(業界、経済、政治情勢の変化を含む)、取引にかかるコスト、実在する債務又は偶発的な債務、その他セプラコール社が米国証券取引委員会(SEC)へ提出する文書、アプティオム社が提出する公開買付けにかかる文書、及びセプラコール社が提出する意見表明書において述べられているリスクや不確実性が含まれます。従って、将来の予測に関する記述において予測されている事象が実際に発生するという保証はなく、たとえ発生したとしても、当社の業績又は財務状況にどのような影響が生じるかについての保証はありません。当社は、新しい情報、将来の状況変化及びその他の事情により、将来の予測に関する記述を更新又は修正するいかなる義務も負いません。

<追加情報について>
本プレスリリースに記載されているセプラコール社の発行済普通株式にかかる公開買付けはまだ開始されておりません。本プレスリリースは、いかなる証券の買付の募集にも該当せず、また売付の募集を勧誘するものではありません。セプラコール社普通株式の買付の募集及び勧誘は、アプティオム社がSECに提出する買付提案書及び関連資料に基づいて行われます。公開買付けの開始時に、アプティオム社はSEC にSchedule TO による公開買付届出書を提出し、続いてセプラコール社はSchedule 14D-9 による公開買付けにかかる意見表明書を提出する予定です。公開買付届出書(買付提案書、送達状、その他の公開買付け関連文書を含む)及び意見表明書には重要な情報が含まれることから、公開買付けに関する決定をされる前に熟読されるようお願いします。これらの資料はセプラコール社の全ての株主に無料で送付されます。また、これらの資料(及びセプラコール社によってSEC に提出された全ての資料)は、無料でSEC のウェブサイトhttp://www.sec.govから入手することができます。投資家及び株主は、これらのSEC 提出資料を、セプラコール社のウェブサイトhttp://www.sepracor.comからも無料で入手することができます。

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