印刷(PDF/145KB)はこちらから 2011年03月15日 研究開発

京都大学と大日本住友製薬の協働による制がん研究拠点「悪性制御研究プロジェクト」(略称:DSK プロジェクト)実施のお知らせ

国立大学法人 京都大学(本部:京都市、総長:松本紘)と大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)は、がんの悪性制御に基づく独創的な抗がん薬、診断法および治療法の創出を目指して、協働研究を実施しますので、お知らせします。

京都大学は、画期的な薬剤・医療技術の創出と創薬研究者の育成を目的として、日本初の対等な協力関係によるオープンイノベーション拠点として「メディカルイノベーションセンター」を設立し、包括的組織的産学連携プロジェクトを積極的に推進しています。がん領域においては、京都大学医学部付属病院に国立大学病院として日本初の「京大病院がんセンター」を設置し、高度ながん医療を提供しています (1)。基礎研究面においては、分子レベルから細胞、個体レベルに至る広汎な研究を進め、効果的治療法の開発に繋がる先進的な研究を展開しています。また、医学研究科においては、グローバル COE プログラム「生命原理の解明を基とする医学研究教育拠点」(2)の中で「がん」を重要研究領域の一つと位置づけ、国際的リーダー育成を目指す大学院教育と基礎-臨床間の双方向的な交流を図っています。同研究科は、世界最大、最高水準のがん医療施設として知られる MD アンダーソンがんセンターの姉妹機関としても選定されています。

大日本住友製薬は、「精神神経」領域に研究の重点をおいていますが、これに加え、アンメット・メディカル・ニーズの高い「がん」をチャレンジ領域と位置づけ、免疫治療等の新たなアプローチによる抗がん薬の創薬研究に注力しています。

DSK プロジェクトでは、豊富な基礎医学・臨床医学の知見を有する京都大学と、抗がん薬の研究に注力する大日本住友製薬が、人材、資金、知見、マネジメントを融合させ、お互いの知的資産を有効利用しながら協働で研究することにより、新規創薬標的およびバイオマーカー(疾患の状態や変化、治癒の程度を特徴づける生物学的指標)を同定するとともに、候補物質探索を進め、独創的な抗がん薬、診断法および治療法の創出を目指します。

(1)http://www.cancer.kuhp.kyoto-u.ac.jp/
(2)http://www.med.kyoto-u.ac.jp/GCOE/J/index.html


DSK プロジェクトの概要

【目的】

分子・細胞生物学的観点および臨床的な観点から、がんの悪性制御に基づく独創的な抗がん薬、診断法および治療法を創出することを目指す。

【期間】

2011年3月から5年間

【研究体制の概要】

DSK プロジェクトの運営や意思決定は、京都大学と大日本住友製薬から選ばれた同数の委員で構成する協働運営委員会、探索研究推進委員会、創薬研究推進委員会、知的財産委員会により行う。研究活動は、経験豊かな実験病理学者である日合 弘 京都大学名誉教授(研究統括者)の指導の下、京都大学中核研究者チーム、若手研究者チーム、企業派遣研究者チーム、大日本住友製薬サテライト研究チームにより実施される。

以上

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