印刷(PDF/127KB)はこちらから 2011年04月07日 ライセンス

抗がん剤に関するオプション契約締結のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)は、このたび、Boston Biomedical, Inc.(ボストン バイオメディカル社)(本社:米国マサチューセッツ州、以下「BBI社」)が創製し、抗がん剤として開発中の「BBI608」(以下、本剤)について、全てのがん種を対象に日本をテリトリーとした開発・販売権に関する独占的なオプション契約を締結しましたので、お知らせします。

本契約に基づき、当社は、BBI社が実施する北米での臨床試験の結果に基づき、オプション権を行使したときには、本剤について日本における独占的開発・販売権を取得します。なお、当社は、米国およびカナダについては独占交渉権を保有しています。

当社は、本契約の締結に伴い、契約一時金および開発費用の一部として15百万ドルをBBI社に支払います。また、当社は、本契約期間中に発生するBBI社の開発費用の一部およびオプション権行使時の対価として、合計で最大55百万ドルを支払う可能性があります。また、オプション行使後には開発マイルストン、販売マイルストンとして、合計で最大約100百万ドルを支払う可能性があります。さらに、販売後は販売額に応じたロイヤリティを支払います。

本剤は、BBI社が開発中の、がん幹細胞への抗腫瘍効果を目指して創製された低分子経口剤です。不均一集団として知られるがん細胞のみならず、がん幹細胞を標的とすることにより、がん治療の課題である治療抵抗性、再発あるいは転移に対する効果が期待されます。

現在、BBI社は本剤について北米で、大腸がんに対する第Ⅰ相の継続試験と各種固形がんに対する第Ib/II 相臨床試験を実施中です。これまでの臨床試験の結果、本剤の安全性は確認され、高い有効性も示唆されています。BBI社は今後、大腸がんをはじめ胃がんなどの固形がんおよび血液がんの適応を目指し、開発を進めていきます。

当社は、がんや免疫疾患などのアンメット・メディカル・ニーズが高い領域を研究のスペシャリティ領域として注力しています。新規メカニズムである本剤が開発パイプラインに加わることにより、がん領域におけるプレゼンスを向上させるとともに、がん患者さんの治療に貢献できることを期待しています。

なお、本契約締結に伴い支払う費用(15百万ドル)は2011年3月期の費用に計上します。
本件は3月30日に発表した業績予想には織り込み済みです。


(ご参考)

用語解説

がん幹細胞について

幹細胞とは、組織や臓器に成長する元となる細胞であり、各臓器に固有に存在しています。
がん組織中にもがん幹細胞と呼べるような細胞の存在が確認されており、治療抵抗性、再発あるいは転移に重要な役割を果たしていると考えられています。従って、がん幹細胞に対して作用する薬剤の開発が期待されています。

BBI社の概要

Boston Biomedical, Inc.(CEO:Chiang Li, M.D.)は、2006年に設立された、がん幹細胞領域の研究開発に特化したバイオ企業です。
BBI社の詳細な情報は同社ホームページ(http://www.bostonbiomedical.com)をご覧ください。

以上

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