印刷(PDF/127KB)はこちらから 2011年05月11日 研究開発

非定型抗精神病薬ルラシドンの統合失調症を対象にしたPan-Asia 試験の結果について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、非定型抗精神病薬「ルラシドン塩酸塩」(一般名、以下、「ルラシドン」)について、統合失調症を対象にしたPan-Asia試験の結果が得られましたので、お知らせいたします。

本試験は、統合失調症患者を対象とした6週間投与のプラセボ対照二重盲検比較試験であり、日本・韓国・台湾の3カ国で実施されました(プラセボ群:129名、ルラシドン40mg/日群:125名、80mg/日群:129名、参照薬群:64名)。本試験では、PANSS合計スコア変化量を主要評価項目、CGI-S変化量を副次評価項目として、ルラシドンの有効性について検討しました。

その結果、主要評価項目では、ルラシドン40mg/日及び80mg/日のPANSS合計スコアは投与後に有意に低下したものの、6週間投与において、プラセボに対する優越性は検証できず、試験として成立しませんでした。プラセボ効果が予想より強く現れたことが主な原因と考えています。

一方、安全性については、これまでにルラシドンを投与された2,500人を超える患者さんが関わった40種類以上の臨床試験により確認されていますが、本試験におけるルラシドン40mg/日及び80mg/日の主な有害事象はこれらの海外での臨床試験結果と同様のものでした。

当社の代表取締役社長の多田は次のように述べています。「本試験の結果は期待通りではありませんでしたが、これまでの臨床試験の結果から、私たちは日本でのルラシドンの開発に大きな自信を持っています。米国ではルラシドンの開発を成功させ、承認を取得しています。私たちは、本試験の結果を踏まえて今後実施する試験において、日本でのルラシドンの承認取得をサポートする有用なデータを得ることを信じています。」

本試験結果に基づく日本での承認申請を実施することは難しく、新たな第Ⅲ相試験を実施することを計画しています。

なお、本件による当社の平成24年3月期業績に与える影響は軽微です。

以上

報道関係者の皆さまからのお問い合わせ