印刷(PDF/149KB)はこちらから 2011年06月07日 研究開発

米国における「シクレソニドHFA」の新薬承認申請のFDAによる受理について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)の米国子会社であるサノビオン社は、米国で提出していた「シクレソニド」(一般名)の点鼻噴霧用HFA(代替フロン)製剤(以下、「シクレソニドHFA」)の新薬承認申請(NDA)がこのほど米国食品医薬品局(FDA)によって受理されたことを発表しましたので、お知らせします。
シクレソニドHFAのNDAは本年3月に提出されており、今後、FDAの標準的な審査を受けることになります。

シクレソニドHFAの予定用量は1日1回74μg(1回噴霧中37μg、各鼻腔あたり1回噴霧)であり、予定適応症は12歳以上の季節性アレルギー性鼻炎(SAR)および通年性アレルギー性鼻炎(PAR)です。シクレソニドHFAの定量噴霧器は、少量(50μL)の微細なドライミストが鼻腔内へ効率良く送達されるよう設計されています。

サノビオン社のAntony Loebel(アントニー・ローベル)臨床開発担当上級副社長は次のように述べています。「シクレソニドHFAのNDAがFDAにより受理され、審査過程における重要なマイルストンを達成できたことを嬉しく思います。FDAの今後の審査の結果、承認を取得した場合には、季節性や通年性のアレルギー性鼻炎に苦しむ数百万人の患者さんのために、新たな治療選択肢を医師に提供できます。」

University of Tenessee Health Sciences Center(テネシー大学 健康科学センター)のMichael Blaiss(マイケル・ブレイス)博士は次のように述べています。「シクレソニドのHFA製剤は季節性や通年性のアレルギー性鼻炎に苦しむ患者さんにとって有用な新しい治療法の選択肢になる可能性があります。申請した用量で承認を取得した場合は、少量の鼻内噴霧で症状緩和をもたらすでしょう。」

なお、シクレソニドHFAの季節性アレルギー性鼻炎における2本目のフェーズⅢ試験の解析結果速報については、2010年7月1日に発表しています。シクレソニドHFAはコルチコステロイド点鼻スプレー「オムナリス」の新剤形として開発されました。

(ご参考)

シクレソニドについて

サノビオン社は2008年にナイコメッド社から米国におけるシクレソニドの独占的な開発・販売権を得ています。シクレソニドHFAは、サノビオン社が開発した3番目のシクレソニド製剤です。既存製剤としては、成人や12歳以上の患者さんの喘息の予防的維持療法に使用されるALVESCO® Inhalation Aerosol HFA製剤と、6歳以上の季節性アレルギー鼻炎(SAR)および12歳以上の通年性アレルギー鼻炎(PAR)の患者さんの鼻症状に使用されるOMNARIS® Nasal Sprayがあります。また、シクレソニドHFAの承認を取得した場合は、サノビオン社にとって6番目の呼吸器領域の製品となります。

シクレソニドHFAのNDAについて

シクレソニドHFAのNDAには、いくつかの臨床試験データが含まれています。シクレソニドHFAの有効性は、米国の成人・青年のアレルギー性鼻炎患者さんを対象に、主要評価項目を2~6週間にわたり評価した3つのプラセボ対照二重盲検比較試験で評価されました。シクレソニドHFAは、プラセボに対して統計学的に有意な差をもって鼻症状の総合スコアを減少させ、有効性の主要評価項目を達成しました。シクレソニドHFAの3つの臨床試験には合計2,488人の患者さんが関わり、そのうち761人には1日1回74μgが投与されました。主要な試験における主要評価項目は、プラセボと比較した朝夜の平均reflective TNSS (評価時点から過去12時間の鼻症状の総合スコア) のベースラインからの変化量の差でした。TOSS (眼症状スコア)およびRQLQ (鼻結膜炎QOL質問票)が副次評価項目として評価されました。

安全性のデータは、シクレソニドHFAの282μgまでの用量を評価する5つの臨床試験で構成されています。そのうち1つの試験では74μgは評価されませんでした。5つのうち4つの試験期間は2~6週間、1つは26週間でした。26週間試験の最初の6週間のデータは他の4つの試験データに合算されました。シクレソニドHFAの74μgが投与された884人のSARまたはPARの患者さんが関わった4つの試験の2~6週間のデータが評価されました。

以上

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