印刷(PDF/84KB)はこちらから 2013年04月08日 研究開発

がんペプチドワクチンに関する共同開発の終了について

大日本住友製薬株式会社【本社:大阪市、社長:多田正世】(以下、大日本住友製薬)と中外製薬株式会社【本社:東京都中央区、会長:永山治】(以下、中外製薬)は、治療用がんペプチドワクチン「WT4869」および「WT2725」について、このたび共同開発契約を解消し、今後の開発方針を変更することに合意しましたので、お知らせいたします。

両社はこれまで、「WT4869」および「WT2725」の共同開発を進めてきましたが、両剤を一日も早く患者さんにお届けするために、開発および販売を大日本住友製薬に一本化することが望ましいと判断し、本共同開発を終了することといたしました。

現在、国内で実施中の「WT4869」の第Ⅰ相臨床試験については、終了するまで両社で進めますが、その後の「WT4869」の臨床開発、および米国で実施中の「WT2725」の臨床開発については、大日本住友製薬が単独で進めることになります。なお、中外製薬は大日本住友製薬よりこれまでの開発の対価として、販売後にロイヤルティを受領することになります。

大日本住友製薬は、今後、「WT4869」および「WT2725」の開発を推し進め、早期の開発および上市を目指し、患者さんの治療に貢献できるよう努めます。

中外製薬は、「WT4869」および「WT2725」の開発を終了することになりますが、がん領域のリーディング・カンパニーとして患者さんの治療に貢献できるよう、治療薬の開発に引き続き邁進していきます。

(ご参考)「WT4869」および「WT2725」の概要

「WT4869」および「WT2725」は、WT1(Wilms’ tumor gene 1)タンパク由来の治療用がんペプチドワクチンです。本剤の投与により誘導されるWT1特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)が、WT1タンパクを発現するがん細胞を攻撃することで、種々の血液がんおよび固形がんに対して治療効果を発揮することが期待されます。
大阪大学大学院医学系研究科 杉山治夫教授らのこれまでの研究により、WT1タンパクが、多くの種類のがんで高発現し、がん抗原になっていることが示唆され、WT1ペプチドを用いたがん免疫療法の有用性が検討されています。杉山教授らの基礎的、臨床的な研究成果に基づき、大日本住友製薬と中外製薬は、両社の共同研究により新規ペプチドである「WT4869」および「WT2725」を創製しました。
「WT4869」は、国内において、骨髄異形成症候群(MDS)を対象に第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験実施中の段階であり、固形がんを対象に第Ⅰ相臨床試験を実施中の段階です。「WT2725」は、米国において、進行がんを対象に、第Ⅰ相臨床試験を実施中の段階です。

以上

報道関係者の皆さまからのお問い合わせ