印刷(PDF/131KB)はこちらから 2013年12月10日 研究開発

抗てんかん剤「APTIOM」(エスリカルバゼピン酢酸塩)のてんかん(単剤治療)に関する第Ⅲ相臨床試験結果の発表について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)の米国子会社であるサノビオン社は、抗てんかん剤「APTIOM®」(アプティオム、一般名:エスリカルバゼピン酢酸塩)について、成人の部分てんかん発作の単剤治療に関する2つの第Ⅲ相臨床試験(093-046試験および093-045試験)の結果を、2013年12月9日(米国時間)、米国ワシントンD.C.にて開催中の第67回アメリカてんかん学会において発表しました。
なお、本試験結果の速報について、2013年9月18日に発表しています。

本試験の結果、既存の1~2種類の抗てんかん剤で十分にコントロールできていない、成人の部分てんかん発作の患者さんに対して、本剤の単剤治療は、発作のコントロール率において、これまでの治療を上回る結果が得られました。また、ベースラインから30.9%~47.5%の発作頻度の減少が認められました。

サノビオン社のSenior Vice President, Clinical Development and Medical AffairsであるFred Grossman (フレッド・グロスマン)は次のように述べています。「このたび、部分てんかん発作の単剤治療に関する、APTIOM®の良好な第Ⅲ相臨床試験データが得られたことを嬉しく思います。本試験データをもとに、当社は、APTIOM®について、成人の部分てんかん発作の単剤治療を対象とした追加効能の申請を行う予定です。」

本剤は、2013年11月に、成人の部分てんかん発作に対する併用療法を対象として、米国食品医薬品局(FDA)に承認され、現在、発売に向けて準備中です。さらに、成人の部分てんかん発作の単剤治療を対象とした追加効能の申請を2014年春に行う予定です。

以上

(ご参考)

【試験デザインについて】

093-045試験および093-046試験は、既存の抗てんかん剤で十分にコントロールできていない成人の部分てんかん発作に対する、エスリカルバゼピン酢酸塩の単剤治療の有効性および安全性を評価するために実施されました。
両試験の主要エンドポイントは、これまでの治療と比較した、事前に定義された終了基準(発作コントロールの悪化を意味します)を満たす16週間のタイトレーション後の患者さんの割合でした。
95%信頼区間の上限が事前に定められた数値を下回り、本剤の治療は有効性が確認されました。

【部分てんかん発作について】

てんかんは、脳内の神経細胞からの電気刺激の異常放電を伴う再発性の発作を特徴としています。部分てんかん発作の場合、この異常は、脳の特定の領域から始まりますが、広範囲に広がる可能性があり、異常部位によって様々な症状を呈します。
発作の発生が予測できないことから、てんかんは、学習、仕事、車の運転、娯楽などの日常生活に重大な影響を及ぼします。発作回数の減少は、てんかん患者さんの負担を大きく軽減させます。てんかん患者さんの約3分の1が、未だ発作をコントロールできず、新しい治療を必要としています。

【APTIOM®(エスリカルバゼピン酢酸塩)について】

APTIOM®は、電位依存性のナトリウムチャネル阻害薬であり、部分てんかん発作の併用療法を対象として承認を取得しました。
本剤は、ポルトガルの株式非公開の製薬企業であるBial-Portela & Ca社(Bial社)が研究開発しました。その後、サノビオン社は、米国およびカナダ市場における本剤の独占的な開発・販売権をBial社より獲得しました。また、ヨーロッパにおいては、Bial社が、「成人の部分てんかん(二次性全般化を含む)における併用療法」を効能・効果として、2009年4月21日に、欧州委員会(European Commission)より承認を取得し、現在、Bial社およびライセンシーであるエーザイ株式会社の欧州子会社によって、「Zebinix®」という商品名で販売されています。

以上

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