印刷(PDF/154KB)はこちらから 2014年09月30日 ライセンス

臨床用iPS細胞作製技術の特許実施許諾契約に関するお知らせ

株式会社アイロムホールディングス(本社:東京都、代表取締役社長:森 豊隆)の100%子会社であるディナベック株式会社(本社:つくば市、代表取締役会長:森 豊隆、以下、「ディナベック」)と大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:多田 正世、以下、「大日本住友製薬」)とは、本日(9月30日)、ディナベックが所有するセンダイウイルスベクターを用いた核初期化法によりヒト再生医療用途の臨床用iPS細胞を作製する技術(以下、「本技術」)に関する特許実施許諾契約(以下、「本契約」)を締結しましたので、お知らせします。

本契約に基づき、ディナベックは大日本住友製薬に対して、眼疾患領域および神経系疾患領域において、本技術を用いた臨床用iPS細胞および分化させた細胞の作製、研究開発、製造、販売等を行う実施権を許諾します。またディナベックは大日本住友製薬にGMPグレードの組換えセンダイウイルスベクターを作製し、提供します。
ディナベックは本契約に基づいて、契約一時金、本技術を用いた製品開発の進捗に伴うマイルストンおよび製品販売額の目標達成に応じた販売マイルストンとして、最大で総額約25億円ならびに製品販売額に応じたロイヤルティを大日本住友製薬より受け取ります。

ディナベックは、今後も臨床用iPS細胞作製技術に基づく再生医療の基礎研究から臨床開発までをシームレスにサポートし、再生医療の早期実現に向けて貢献してまいります。
大日本住友製薬は、精神神経領域およびがん領域を重点領域として革新的な医薬品の創製を目指すとともに、新規分野として、再生・細胞医薬分野の取り組みを強化しています。本契約により、再生・細胞医薬分野において活用できる技術の幅を広げることができると考えています。

以上

(ご参考)

ディナベック独自開発の「センダイウイルスベクター」について

ベクターとは、治療用の遺伝子を特定の臓器・組織に運搬し、効果的に標的細胞内へ導入する働きを持つ物質のことです。その中でも、ディナベックが独自に開発した「センダイウイルスベクター」は、従来のベクターとは全く概念が異なるRNAを骨格とするもので、臨床研究や動物実験を通じ安全性の高さが確認されている他、遺伝子医薬品やバイオ製品分野での利用に高い信頼性と実績を有しています。
ディナベックは、核初期化因子(※)を搭載したセンダイウイルスベクターからなるiPS細胞作製用キット「CytoTune®-iPS」を2011年に全世界で発売しました。同キットはベクター導入細胞の染色体を傷つけないため発がん性の危険が少なく、しかも少量の末梢血からも効率よくiPS細胞を誘導できるため、研究用ツールとして国内外の研究者から高い評価を得ています。昨年は、iPS細胞の作製効率が大幅に向上し、かつ出来あがったiPS細胞からベクターが直ちに除去される改良版キットを発売するとともに、商業使用ライセンス条件を大幅に緩和してユーザーの利便性にお応えしました。
ディナベックは、今後、本キットを用いた臨床開発が行われることにより、再生医療の早期実現に貢献できることを期待しています。

※核初期化因子
体細胞に導入することによって同細胞をiPS細胞に導く複数の遺伝子のことです。

以上

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