印刷(PDF/212KB)はこちらから 2017年01月26日 企業

当社による米国バイオベンチャー企業Tolero Pharmaceuticals, Inc.の買収完了について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、当社全額出資の米国持株会社を通じたTolero Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国ユタ州リーハイ、CEO:David J. Bearss、以下「トレロ社」)の買収(以下「本買収」)手続きが2017年1月25日(米国太平洋標準時間)付けで完了しましたので、お知らせします。

本買収により、当社は、トレロ社が血液がんを対象として開発中のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9阻害剤「alvocidib」(一般名)を含む6化合物を獲得し、研究重点領域の1つであるがん領域の開発パイプラインを強化することができました。
alvocidibは、現在、米国において急性骨髄性白血病(AML)のバイオマーカー陽性患者を対象としたフェーズ2試験を実施中であり、本適応について最速で2018年度の承認申請を目指しています。

今後、当社グループは、当社、Boston Biomedical, Inc.、トレロ社の3社が協働してがん領域の創薬活動を展開し、画期的な製品の継続的創出を目指します。なお、トレロ社のCEOは、本買収前と同様、David J. Bearssが務めます。

本買収の概要につきましては、2016年12月21日に「当社による米国バイオベンチャー企業Tolero Pharmaceuticals, Inc.の買収(子会社化)について」にて公表しています。

以上

(ご参考)

サイクリン依存性キナーゼ(CDK)9阻害剤「alvocidib」について
alvocidibは、がん関連遺伝子の転写制御に関与しているサイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーの一つであるCDK9を阻害することによって、抗アポトーシス遺伝子であるMCL-1を抑制し、抗腫瘍作用を示すことが期待されています。
alvocidibは、低分子の注射剤であり、AMLの治療剤として米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)より希少疾病医薬品の指定を受けています。米国国立がん研究所(NCI)によって行われた予後不良因子を持つ未治療のAML患者を対象としたACM療法(alvocidib、シラタビンおよびミトキサントロン)と標準療法(シタラビンおよびダウノルビシン)の2群比較フェーズ2試験(J-1101/NCI-8972、Haematologica 2015;100(9))で、AML治療において重要な治療効果の指標である完全寛解率は、それぞれ70%、46%となり、ACM療法(alvocidib併用群)において有意差を示しました。一方、忍容性は、両群間で同等でした。
本剤は、トレロ社がSanofi S.A.(本社:フランス、以下「サノフィ社」)より全世界を対象とした開発・販売に関する独占的なライセンスを受けており、トレロ社はサノフィ社に販売に関するマイルストン・ロイヤリティを支払う予定です。

以上

【将来事象に関する記載にかかる注意事項】

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