印刷(PDF/156KB)はこちらから 2017年08月30日 研究開発

パーキンソン病治療剤「トレリーフ」のレビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムの効能・効果を追加する一部変更承認申請について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、本日(8月30日)、パーキンソン病治療剤「トレリーフ®」(一般名:ゾニサミド、以下「トレリーフ」)について、レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムの効能・効果の追加に係る製造販売承認事項の一部変更承認申請(以下、「本申請」)を行いましたので、お知らせします。

トレリーフは、当社が創製したパーキンソン病治療剤であり、「パーキンソン病(レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬を使用しても十分に効果が得られなかった場合)」を効能・効果として2009年3月に国内で発売され、2013年8月にはパーキンソン病における日内変動(wearing-off現象)に対する用法・用量の一部変更承認を取得しました。現在、パーキンソン病治療の選択肢の一つとして使用されています。

レビー小体型認知症は、病理学的にはパーキンソン病と共にレビー小体病という同一の疾患群に分類されます。また、レビー小体型認知症のパーキンソニズムは、パーキンソン病の運動機能障害とほぼ同様の症状です。これらのことから、当社は、トレリーフのパーキンソン病の運動機能障害に対する作用がレビー小体型認知症のパーキンソニズムに対しても効果を示すと考え、臨床開発を進めてきました。

本申請が承認されれば、トレリーフは、「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム」の効能・効果を有する世界初の治療薬となります。当社は、本申請が承認されることにより、レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムに対する新たな治療選択肢を提供し、患者さんの治療に貢献できることを期待しています。

なお、本申請には、トレリーフのパーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症患者を対象としたフェーズ3試験のデータが含まれており、本試験の速報結果については、2017 年4 月6日に開示しています。

以上

(ご参考)

【レビー小体型認知症(DLB:dementia with Lewy bodies)について】

レビー小体型認知症は、進行性の認知機能障害を中心的特徴(必須症状)とし、①認知機能の動揺、②繰り返し現れる幻視、③REM睡眠行動障害、④パーキンソニズムの4つが中核症状として現れる認知症の一つです。レビー小体型認知症の疫学調査は複数の報告がありますが、日本の2014 年患者調査(厚生労働省)において、レビー小体型認知症の属する「血管性および詳細不明の認知症」の患者数は、14万4千人と報告されています。

【パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症患者を対象にしたフェーズ3試験について】

本試験は、パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症患者351名を対象とし、トレリーフ25 mg/日投与群(117名)、トレリーフ50 mg /日投与群(114名)、プラセボ投与群(120名)に分け、12週間投与したときのトレリーフの有効性および安全性を検討しました。本試験の結果、主要評価項目である投与12週間後のUPDRS* Part Ⅲ(運動能力検査)合計スコアにおいて、トレリーフの両投与群はプラセボ投与群に対し、有意な改善【プラセボ群との変化量の差:25 mg/日群-2.7(調整済みP値:0.005)、50 mg/日群-2.6(調整済みP値:0.005)】を示しました。また、本試験におけるトレリーフ投与群での主な有害事象は、これまでのトレリーフの臨床試験と一致する結果を得ました。

※ UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale):パーキンソン病の各種症状の有無や重症度を数値化して示すものであり、治療効果の世界的な評価指標として広く使用されています。

以上

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