印刷(PDF/158KB)はこちらから 2017年09月06日 ライセンス

制吐剤の候補化合物に関するライセンス契約締結のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)と丸石製薬株式会社(本社:大阪市、社長:井上 慶一)は、このたび、大日本住友製薬が創製した非臨床段階の開発化合物であるFAAH阻害剤(以下、「本剤」)について、日本および米国における悪心・嘔吐を対象とした独占的な開発・製造・販売権などに関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

本契約に基づき、丸石製薬は、大日本住友製薬に対して契約一時金および開発マイルストンを支払います。また、販売後は、販売額に応じたロイヤルティおよび販売額の目標達成に応じた販売マイルストンを支払います。

本剤は、大日本住友製薬の精神神経領域の創薬活動により見出だされた化合物であり、大日本住友製薬が2015年に実施したオープンイノベーション活動「PRISM」(Partnership to Realize Innovative Seeds and Medicines)において本剤の新規開発適応症を公募したことを契機として、本契約の締結に至りました。

大日本住友製薬は、周術期領域に強みを持つ丸石製薬とのライセンス提携により、本剤が制吐剤として開発・上市され、医療に貢献できることを期待しています。

丸石製薬は、高い創薬技術を持つ大日本住友製薬とのライセンス提携によって新たな化合物を開発する機会を得ました。本剤は、周術期領域におけるQOL改善の新たな選択肢となるものと期待しています。

(ご参考)

FAAH(Fatty Acid Amide Hydrolase、脂肪酸アミド加水分解酵素)阻害剤について

ニューロンに発現するFAAHは、エンドカンナビノイド*の一種であるアナンダミドの主たる加水分解酵素として、神経活動において重要な役割を担っています。本剤は、FAAHを阻害することでアナンダミドをはじめとするエンドカンナビノイドの分解を抑制し、エンドカンナビノイドがカンナビノイド受容体の1つであるCB1受容体シグナルを活性化することで、制吐作用を示すことが期待されています。

*エンドカンナビノイド:カンナビノイド受容体(CB1およびCB2受容体)に対して結合活性を持つ内在性因子の総称です。主に神経系で発現しているCB1受容体を介したシグナルは制吐・鎮痛・神経保護作用など多面的な作用を示すことが知られています。

以上

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