印刷(PDF/125KB)はこちらから 2018年07月31日 研究開発

非定型抗精神病薬「ロナセン」テープ製剤の製造販売承認申請について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博、以下「大日本住友製薬」)は、日東電工株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:髙﨑 秀雄、以下「Nitto」)と共同開発中の、非定型抗精神病薬「ロナセン®」(一般名:ブロナンセリン)テープ製剤(以下「本剤」)について、国内における製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。

「ロナセン®」は、大日本住友製薬が創製した経口の非定型抗精神病薬であり、統合失調症を適応症として2008年4月より国内で販売されています。「ロナセン®」の薬物動態の更なる安定化を図るため、大日本住友製薬は、経皮吸収型テープ製剤の設計技術を有するNittoと、2010年より共同開発を進めてきました。

本剤は1日1回、皮膚に貼付することにより24時間安定した血中濃度を維持できるため、良好な有効性および安全性が期待できます。また、テープ製剤の特徴から、投薬中であることを視認できるメリットに加え、食事の影響を受けにくいことから、食生活が不規則な患者さんや経口服薬が困難(嚥下困難等)な患者さんへも投与可能な製剤です。

本剤が承認されれば、両社は統合失調症に対する新たな投与経路を持つ治療選択肢を提供することができます。これによりShared Decision Making(SDM:患者さんと医療者等が共同で治療方針の意思決定を行うこと)の推進および服薬アドヒアランスの向上に寄与し、社会機能の回復をめざす統合失調症の治療に貢献できるものと期待しています。

以上

(ご参考)

【本剤のフェーズ3試験の概要】

本試験は、日本を含む数か国で実施された多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ3試験であり、成人の統合失調症患者580名が、本剤40 mg/日投与群(196名)、本剤80mg/日投与群(194名)、プラセボ投与群(190名)に割り付けられました。本試験の結果、主要評価項目であるPANSS合計スコアの投与6週間後のベースラインからの変化量は、主要な解析対象集団577名では、本剤40mg/日投与群および本剤80㎎/日投与群のいずれもプラセボ投与群に対し、統計学的に有意な改善を示しました。また、本剤は総じて良好な忍容性を示し、本剤投与群での有害事象は皮膚関連事象も含め全般的に軽度でした。
本試験の速報結果については、2018年2月14日に開示しています。

【「ロナセン®」について】

「ロナセン®」は、ドパミンD2/D3受容体およびセロトニン5-HT2A受容体に対する親和性を有しており、臨床試験において、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善作用が示されています。

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