印刷(PDF/149KB)はこちらから 2019年06月07日 研究開発

開発中の抗がん剤ナパブカシンの結腸直腸がんを対象としたフェーズ3 試験(CanStem303C試験)の中間解析による試験継続の推奨受領について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国子会社であるBoston Biomedical, Inc.は、このたび、抗がん剤として開発中のナパブカシン(一般名、開発コード:BBI608、以下「ナパブカシン」)の結腸直腸がん患者を対象としたフェーズ3試験(CanStem303C試験、以下「本試験」)について、独立データモニタリング委員会(DSMB: Data and Safety Monitoring Board)より、本試験の継続の推奨(以下「本推奨」)を受領しました。当社は、本推奨を受けて、計画通りに本試験を継続していきますので、お知らせします。

DSMBによる本推奨は、本試験の総イベント50%発生時点における中間解析結果が、事前に設定された基準を満たしたとの判断によるものです。

(ご参考)

【ナパブカシンについて】

ナパブカシンは、当社の米国子会社であるBoston Biomedical, Inc.が創製し、抗がん剤として開発中の低分子経口剤です。ナパブカシンは、がん細胞に発現する酵素NQO1により生体内活性化を受け、活性酸素種を産生することでSTAT3を含むがん幹細胞性やがんの増悪に関わる経路を阻害し、最終的にはがん細胞を死に至らしめると期待されています。

ナパブカシンは現在、進行性結腸直腸がんおよび進行性膵がんを対象に各々フェーズ3試験が進行中であり、また、複数の固形がんを対象に初期フェーズ試験が進んでいます。2016年には米国食品医薬品局(FDA)から、膵がんを対象にオーファンドラッグ指定を受けています。

【CanStem 303C試験(NCT02753127)について】

CanStem 303C試験は、米国や日本などにおいて実施されているランダム化、オープンラベルの国際共同フェーズ3試験であり、ナパブカシンの有効性および安全性をFOLFIRI併用下において、FOLFIRI単独投与と比較し、医師の判断によって両群にベバシズマブが投与されます。
1,253名の前治療歴のある進行性の結腸直腸がん患者が登録され、ナパブカシンおよびFOLFIRIの併用群またはFOLFIRI単独投与群に1:1で割付けられました。主要評価項目は、全集団およびpSTAT3陽性集団における全生存期間(OS)です。
本試験の中間解析は、累積イベント数が425に達した時点で実施されました。

以上

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