印刷(PDF/107KB)はこちらから 2019年06月25日 研究開発

2 型糖尿病治療剤 Imeglimin の日本でのフェーズ3 試験(TIMES 3 試験)の良好な解析結果の速報について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、本日(6月25日)、2型糖尿病を対象としてPoxel SA(本社:フランス リヨン、CEO:Thomas Kuhn、以下「Poxel社」)と共同で日本において開発中のimeglimin(一般名、以下「本剤」)のフェーズ3試験の一部を構成するTIMES 3試験の投与16週間の二重盲検期について、インスリン製剤との併用下において、主要評価項目を達成し、良好な安全性および忍容性のプロファイルを示したという解析結果の速報を得ましたので、お知らせします。

TIMES試験(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)は、TIMES 3試験を含む3本の臨床試験から構成され、1,100人を超える2型糖尿病患者を対象に本剤の有効性および安全性を評価しています。

TIMES 3試験は、215人の日本人のインスリン製剤を投与しても効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした、16週間のプラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験、およびその後36週間の非盲検期として現在実施中の継続投与試験であり、インスリン製剤併用下において、本剤1,000mgまたはプラセボを1日2回経口投与する試験デザインとなっています。

TIMES 3試験(二重盲検期)の結果、主要評価項目である投与16週間後のHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均)において、本剤投与群はプラセボ投与群に対し、統計学的に有意な改善(HbA1c変化量の本剤投与群とプラセボ投与群との差:-0.60%、p<0.0001)を示しました。
本剤は、本試験において総じて良好な忍容性を示し、インスリン製剤併用下において、本剤による低血糖の発現患者数はプラセボ群と同様であり、重度の低血糖は観察されず、低血糖の大部分が軽度でした。本試験における有害事象は、本剤の日本での単剤投与試験であるTIMES 1試験や他の臨床試験で観察された内容と同様の結果でした。

その他の評価項目については、現在解析中です。本試験の詳細データは、Poxel社が今後の学会で発表する予定です。

今回の試験結果はTIMES 試験の2本目の結果であり、2019年4月9日に、TIMES 1試験の良好な結果をプレスリリースにて公表済みです。

TIMES 2試験およびTIMES 3試験の36週間の非盲検継続投与試験の速報結果は2019年末に得られる予定であり、当社は、日本での本剤の新薬承認申請を2020年に行うことを目指しています。

(ご参考)

【Imegliminについて】

Imeglimin は、世界保健機関(WHO)によって新たな化合物クラスである「Glimins」として登録されており、同クラスとして初めて臨床試験が実施されている化合物です。本剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2型糖尿病治療において重要な役割を担う3つの器官(肝臓・筋肉・膵臓)において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進、インスリン抵抗性の改善および糖新生の抑制という作用を示し、血糖降下作用をもたらすことが期待されています。さらに、本剤は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されています。本剤は、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性があります。
大日本住友製薬は、本剤の日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9カ国を対象とした開発・販売提携契約を2017年10月にPoxel社と締結しています。

【Poxel社について】

Poxel社は、2009年に設立された、フランスに本社を置く、フランス株式市場上場の製薬企業です。2型糖尿病や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含む代謝性疾患を対象とした医薬品の研究開発に注力し、開発パイプラインの拡大を推進しています。詳細については、https://www.poxelpharma.com/ja をご覧ください。

【TIMES試験について】

TIMES試験は、2型糖尿病を対象としたimegliminの日本におけるフェーズ3試験であり、1,100人を超える患者を対象に本剤1,000mgを1日2回投与する3本の臨床試験から構成されています。

・TIMES 1:日本人2型糖尿病患者を対象とした24週間のimeglimin単剤療法による有効性、安全性および忍容性を検討するプラセボ対照二重盲検比較、無作為化試験
(主要評価項目:HbA1cの変化量、副次的評価項目:空腹時血糖(FPG)およびその他の標準的な血糖・非血糖パラメーター)
2019年4月9日に、TIMES 1の主要評価項目および副次評価項目を達成したという、良好な解析結果の速報についてプレスリリースしています。

・TIMES 2:日本人2型糖尿病患者を対象とした52週間のimeglimin単剤療法およびimegliminと他の経口血糖降下剤(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド薬、SU薬、GLP-1受容体作動薬)との併用療法による長期での安全性および有効性を検討する非盲検、並行群間比較試験

・TIMES 3:日本人2型糖尿病患者およびインスリン製剤を投与しても効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象としたimegliminとインスリン製剤との併用療法による有効性および安全性を検討する16週間のプラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験、およびその後36週間の非盲検継続投与試験

以上

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