印刷(PDF/104KB)はこちらから 2020年01月06日 研究開発

β3アドレナリン受容体作動薬ビベグロンの過活動膀胱を適応症とした米国食品医薬品局(FDA)への新薬承認申請について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるユーロバント・サイエンシズ・リミテッド(本社:英国、米国ナスダック(NASDAQ)上場、以下「ユーロバント社」)は、2019年12月30日(米国時間)に、米国において開発中のβ 3アドレナリン受容体作動薬ビベグロン(一般名)について、切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症として、米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行ったことを発表しましたので、お知らせします。

本剤の新薬承認申請は、4,000人を超えるOAB患者を対象とした臨床開発プログラムに基づいており、有効性および安全性を評価したフェーズ3試験のEMPOWUR試験において、本剤75mgの1日1回投与群は、有効性に関わる全ての主要評価項目および重要な副次的評価項目を達成し、良好な安全性プロファイルを示しました。

ユーロバント社のCEOであるKeith Katkin(キース・カトキン)は、次のように述べています。「ビベグロンの新薬承認申請は、当社にとって重要なマイルストンであり、満足度が非常に低い領域に新しい経口治療薬を提供できる可能性に一歩近づきました。米国には、過活動膀胱の症状を抱える患者さんが3,000万人以上おり、本剤が2020年に承認されれば、米国において約10年ぶりのOABの新薬となります。」

(ご参考)

ビベグロンについて

ビベグロンは、1日1回経口投与のβ 3アドレナリン受容体作動薬であり、切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)の治療薬として開発中(米国で申請中)です。本剤は、前立腺肥大症を伴うOAB (米国でフェーズ3試験実施中)および過敏性腸症候群関連疼痛(米国でフェーズ2a試験実施中)を対象とした開発も行っています。

EMPOWUR試験について

EMPOWUR試験は、男性および女性の過活動膀胱患者を対象としたビベグロンの有効性および安全性を評価する、ランダム化・二重盲検・プラセボ対照のフェーズ3試験であり、参照薬としてトルテロジンER 4 mg投与群が含まれています。1,518人の患者が12週間の治療期間中、3つのグループ(本剤75 mg、プラセボ、トルテロジンER 4 mg)にランダムに割り付けられ、さらに、本試験を完了した507人の患者を40週間の二重盲検延長試験に登録し、長期の安全性を評価しました。
本剤は、有効性に関わる二つの主要評価項目である、投与12週目の「切迫性尿失禁(UUI)エピソードの減少」および「平均排尿回数の減少」において、プラセボ群に対し統計学的に有意な改善(UUIエピソードの減少(p<0.0001)、平均排尿回数の減少(p<0.001))を示しました。
安全性については、本剤は、総じて良好な忍容性を示し、投与12週目においてプラセボ群より発現頻度の高かった主な副作用は、頭痛(本剤:4.0%、プラセボ2.4%)、鼻咽頭炎(2.8%、1.7%)、下痢(2.2%、1.1%)および吐き気(2.2%、1.1%)でした。

ユーロバント社について

ユーロバント社は、泌尿器科疾患に対する革新的な治療法の開発・販売に取り組むバイオ医薬品企業です。ユーロバント社は、ビベグロンの他に、経口薬物療法が無効の過活動膀胱(OAB)を対象とした遺伝子治療であるURO-902(開発コード)を開発しています。
大日本住友製薬はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、2019年12月にユーロバント社を連結子会社化しました(当社持株比率は75%)。

以上

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