印刷(PDF/120KB)はこちらから 2020年12月28日 ライセンス

連結子会社マイオバント社とファイザー社とのレルゴリクスに関する開発および販売提携のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、2020年12月28日(現地時間)、連結子会社であるマイオバント・サイエンシズ・リミテッド(米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場、以下「マイオバント社」)が、Pfizer Inc.(NYSE上場、以下「ファイザー社」)との間で、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体阻害剤レルゴリクス(一般名)について、がん領域および婦人科領域における北米(米国およびカナダ)での共同開発および共同販売に関する契約(以下「本契約」)を締結したことを発表しましたので、お知らせします。また、マイオバント社はファイザー社に対し、がん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関する独占的なオプション権を許諾します。

本契約に基づき、マイオバント社はファイザー社に対し、北米において、成人の進行性前立腺がんを適応症として2020年12月18日に米国で承認を取得したレルゴリクス単剤(製品名:ORGOVYX、以下「オルゴビクス」)と、子宮筋腫および子宮内膜症を対象として開発中のレルゴリクス配合剤(以下「配合剤」)の開発および販売を共同で行う権利を許諾します。マイオバント社とファイザー社は、2021年初めにオルゴビクスの共同プロモーションを開始します。オルゴビクスおよび配合剤の売上収益はマイオバント社が計上し、利益および開発・販売に要する特定の費用を両社で折半します。
本契約締結の対価として、マイオバント社はファイザー社より、契約一時金として6億5千万米ドル(約670億円)を受領します。さらに、配合剤の米国承認時マイルストンとして2億米ドル(約210億円)、レルゴリクスの前立腺がんに係る売上収益と子宮筋腫および子宮内膜症に係る売上収益のそれぞれが25億ドルに達するまで段階的に支払われる販売マイルストンを加え、総額で最大42億米ドル(約4,350億円)を受け取る可能性があります。また、ファイザー社ががん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関するオプション権を行使した場合、マイオバント社はファイザー社から5千万米ドル(約50億円)を受領し、売上収益に対して2桁台のロイヤリティを受領します。

マイオバント社のCEOであるLynn Seely(リン・シーリー)は次のように述べています。「オルゴビクスおよび配合剤の製品価値を最大化し当社の使命を果たすために、ファイザー社と連携できることをとても楽しみにしています。ファイザー社はがん領域および婦人科領域で卓越した強みと実績を持ち、当社にとって最適のパートナーとなります。変革を起こす本提携によって、オルゴビクスおよび配合剤の順調な立ち上げが可能になるとともに、当社の財務基盤が強化されることにより、新薬のパイプラインを拡充することが可能になります。」

ファイザー社のGlobal President, Pfizer OncologyであるAndy Schmeltz (アンディ・シュミッツ)は次のように述べています。「マイオバント社と当社が協力して、オルゴビクスを前立腺がん患者さんにお届けできることをとても嬉しく思います。本戦略的提携は、米国の前立腺がん治療薬提供における当社の優位性を強固なものにし、本疾患の治療に変革を起こすという当社の目標に合致しています。」

ファイザー社のGlobal President, Pfizer Internal MedicineであるNick Lagunowich(ニック・ラグノウィッチ)は次のように述べています。「子宮筋腫や子宮内膜症に伴う一般的な消耗性の症状を経験する数百万人の女性には、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在し続けています。当社の婦人科領域における経験豊かな販売力や長年培ってきたリーダーシップにより、マイオバント社との協働の成果を最大化し、価値の高い新たな治療選択肢を患者さんに提供できると信じています。」

本契約に伴う当社の2020年度の連結業績に与える影響は現在精査中であり、今後、業績予想修正の必要性および公表すべき事項が生じた場合には速やかに開示します。

本件の詳細はマイオバント社のプレスリリース(https://www.myovant.com)をご覧ください。

(ご参考)
レルゴリクスについて
レルゴリクスは、1日1回経口投与の低分子GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤であり、前立腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンおよび子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激することが知られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制します。

マイオバント社は、2020年12月18日に「ORGOVYX(オルゴビクス)」(レルゴリクス120mg錠)について、成人の進行性前立腺がんを適応症として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得しました。
*本剤の承認については2020年12月21日に開示しています。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20201221.pdf

子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤(レルゴリクス40mg+エストラジオール1.0mg+酢酸ノルエチンドロン0.5mg)を開発しています。各開発段階は以下の通りです。
・子宮筋腫:2020年3月申請済(欧州*)、2020年5月申請済(米国、審査終了目標日は2021年6月1日)
・子宮内膜症:フェーズ3試験段階(2本のフェーズ3試験の良好な結果を発表済)、2021年前半に米国で申請予定
*マイオバント社とGedeon Richter Plc.(本社:ハンガリー ブダペスト)は、レルゴリクス配合剤の子宮筋腫および子宮内膜症を対象とした、欧州、ロシアなど米国以外の特定地域における開発・販売に関する独占的ライセンス契約を締結しています。本件の詳細は、2020年3月31日に開示しています。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20200331.2.pdf

マイオバント社について
マイオバント社は、女性および男性の疾患に対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企業です。マイオバント社はORGOVYXの他に、不妊症に対するオリゴペプチドキスペプチン1受容体アゴニストであるMVT-602(開発コード)を開発中です。大日本住友製薬はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に2019年12月にマイオバント社を連結子会社化しました。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.com/をご覧ください。スミトバント社は大日本住友製薬の完全子会社であり、5つのバイオ医薬品子会社のマイオバント社、ユーロバント社、エンジバント社、アルタバント社およびスピロバント社の親会社です。スミトバント社に関する詳細については、https://www.sumitovant.comをご覧ください。

以上

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