印刷(PDF/105KB)はこちらから 2021年03月30日 研究開発

レルゴリクスの進行性前立腺がんを適応症とした欧州医薬品庁への販売承認申請の受理について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるマイオバント・サイエンシズ・リミテッド(ニューヨーク証券取引所上場)は、レルゴリクス(一般名)の進行性前立腺がんを適応症とする販売承認申請が、欧州医薬品庁(EMA)によって受理されたことを2021年3月29日(現地時間)に発表しましたので、お知らせします。

本剤の販売承認申請の受理により、EMAは本剤の正式な審査プロセスを開始します。本剤が承認されれば、欧州において進行性前立腺がんを対象とした最初で唯一の経口アンドロゲン除去療法になります。

マイオバント社とPfizer Inc.(NYSE上場、以下「ファイザー社」)が2020年12月に締結したレルゴリクスに関する開発および販売提携において、ファイザー社はがん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関する独占的なオプション権を保有しており、ファイザー社が当該オプション権を行使した場合、マイオバント社はファイザー社から5千万米ドル(約50億円)を受領し、これらの市場における売上収益に対して2桁台率のロイヤリティを受領します。ファイザー社による当該オプション権の行使に関する決定は、2021年前半に予定されています。

本剤の販売承認申請は、少なくとも1年間の継続的なアンドロゲン除去療法を必要とする、アンドロゲン感受性のある進行性前立腺がん患者1,000人以上を対象に本剤の安全性と有効性を評価した、ランダム化、オープンラベル、並行群間、国際共同フェーズ3試験(HERO試験)のデータに基づいています。
なお本剤は、2020年12月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受け、現在、「オルゴビクス」として米国で販売されています。


*本件の詳細についてはマイオバント社のプレスリリースをご覧ください。(https://investors.myovant.com/node/9061/pdf

(ご参考)
【レルゴリクスについて】
レルゴリクスは、1日1回経口投与の低分子GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体アンタゴニストであり、前立腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンおよび子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激することが知られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制します。マイオバント社は、前立腺がん向けには単剤の錠剤(120mg)を、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤(レルゴリクス40mg+エストラジオール1.0mg+酢酸ノルエチンドロン0.5mg)を以下の通り販売・開発しています。

  • 前立腺がん:2021年1月発売(米国、製品名「オルゴビクス」)
  • 子宮筋腫:2020年3月申請済(欧州)、2020年5月申請済(米国、審査終了目標日は2021年6月1日)
  • 子宮内膜症:フェーズ3試験段階(2本のフェーズ3試験の良好な結果を発表済)、2021年前半に米国で申請予定

マイオバント社は、2020年12月、ファイザー社との間で、レルゴリクスのがん領域および婦人科領域における北米での共同開発および共同販売に関する契約を締結しました(詳細は2020年12月28日付けの当社のプレスリリースをご覧ください)。

【前立腺がんについて】
前立腺がんは米国において、男性が罹患するがんとして2番目に多く、死因の第2位になっています。心血管疾患は、男性の前立腺がんの主要な死因であり、米国の男性の前立腺がん患者の死因の34%を占めています。現在、米国では約300万人の男性が前立腺がんに罹患しており、2021年には約25万人の男性が新たに前立腺がんの診断を受けると推定されています。
進行性の前立腺がんは、治療後に進行または再発する前立腺がんであり、生化学的再発(画像上で転移が認められずにPSAが上昇する)、局所進行性または転移を伴います。
進行性前立腺がんの治療には、テストステロンを去勢状態(<50ng/dL)まで強力に抑制するアンドロゲン除去療法が選択され、リュープロレリン酢酸塩の徐放性製剤のLHRH受容体アゴニストが現在の標準治療です。一方、LHRH受容体アゴニストは、症状悪化につながる恐れがありフレア現象とも呼ばれている治療初期のテストステロン上昇や薬剤中止後のテストステロン回復の遅延など、薬剤の作用機序に起因する望ましくない現象が示唆されています。米国では、年間約30万人の男性がアンドロゲン除去療法の治療を受けています。

【マイオバント社について】
マイオバント社は、女性および男性の疾患に対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企業です。マイオバント社は、レルゴリクスの他に、不妊症に対するオリゴペプチドキスペプチン1受容体アゴニストであるMVT-602(開発コード)を開発中です。
大日本住友製薬はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に2019年12月にマイオバント社を連結子会社化しました。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.comをご覧ください。スミトバント社は大日本住友製薬の完全子会社であり、5つのバイオ医薬品子会社のマイオバント社、ユーロバント社、エンジバント社、アルタバント社およびスピロバント社の親会社です。スミトバント社に関する詳細については、https://www.sumitovant.comをご覧ください。

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