印刷(PDF/93KB)はこちらから 2021年12月15日 研究開発

開発中のがんワクチンDSP-7888の膠芽腫を対象としたフェーズ3 試験の中止について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)およびその米国子会社であるスミトモダイニッポンファーマオンコロジー・インク(以下「スミトモダイニッポンファーマオンコロジー社」)は、がんワクチンとして開発中のDSP-7888(開発コード、一般名:アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩、以下「本剤」)の再発または進行性膠芽腫患者を対象としたフェーズ3試験(WIZARD 201G試験、以下「本試験」)について、中間解析の結果を受け、最終解析で主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示す可能性が低いと判断し、本試験を中止することとしましたので、お知らせします。

本試験では、初期治療後に再発または進行した膠芽腫(GBM)患者を対象として、WT1免疫療法用がんワクチンである本剤およびベバシズマブの併用投与と、ベバシズマブ単剤投与における安全性と有効性を1:1でランダム化し、比較検討しました(予定登録被験者数338人)。独立データモニタリング委員会(IDMC: Independent Data Monitoring Committee)による2回目の中間解析では、185イベントでOSを評価し、新たな安全性上の懸念は示されませんでした。

米国において実施中の進行性固形がん患者を対象とした本剤およびニボルマブまたはペムブロリズマブとの併用投与のフェーズ1/2試験は、継続します。

本件による当社の2022年3月期の連結業績に与える影響は軽微です。

(ご参考)
DSP-7888について
本剤は、さまざまなタイプの血液がんおよび固形がんに見られるWT1発現がん細胞を攻撃するWT1特異的な細胞傷害性Tリンパ球(WT1-CTL)およびヘルパーT細胞を誘導する2つのペプチドを含む開発中のWT1免疫療法用がんワクチンです。ヘルパーT細胞を誘導するペプチドを加えることにより、キラーペプチドのみに基づく治療レジメンと比較して治療結果が改善される可能性があります。
WIZARD 201G試験は、再発または進行性の膠芽腫(GBM)患者を対象とした米国および日本などにおいて実施中の多施設共同、ランダム化、アダプティブ国際共同フェーズ3試験(予定登録被験者数338人、NCT03149003)です。本試験のほか、米国において進行性固形がん患者を対象とした本剤およびニボルマブまたはペムブロリズマブとの併用投与のフェーズ1/2試験(予定登録被験者数84人、NCT03311334)を実施中であり、当該試験のフェーズ2段階には、プラチナ製剤抵抗性卵巣がん患者を対象とした本剤およびペムブロリズマブの併用投与群を含んでいます。本剤は、2017年にFDAから脳腫瘍および骨髄異形成症候群(MDS)を対象にオーファンドラッグ指定を受けています。

以上

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