印刷(PDF/88KB)はこちらから 2022年03月28日 研究開発

ビグアナイド系経口血糖降下剤「メトグルコ」の不妊治療に関する追加適応の公知申請について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、このほど、ビグアナイド系経口血糖降下剤「メトグルコ®錠250mg/500mg」(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発」および「多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激」を対象に、不妊治療に関する効能・効果の追加を目的とした公知申請※1(以下「本申請」)を行いましたので、お知らせします。

メトグルコ®は、肝臓における糖新生抑制作用、末梢組織における糖取り込み促進作用、小腸における糖吸収抑制作用等を介して血糖降下作用を示すビグアナイド系経口血糖降下剤であり、当社は2010年より国内で販売しています。国内では、メトホルミン製剤は2型糖尿病の第一選択薬として幅広く用いられています。

本申請に係る効能・効果については、2021年10月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」※2で医療上の必要性ありと判断され、厚生労働省より当社に対して開発要請がなされました。その後、2022年1月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請への該当性が認められ、さらに、2022年2月25日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で本申請に係る事前評価が行われ、公知申請を行っても差し支えないと判断された結果、本申請に至りました。

多嚢胞性卵巣症候群(以下「PCOS」)は、生殖年齢女性の5~8%に発症するとされています。PCOSは、世界保健機関(WHO)の性機能障害のグループⅡに分類される疾患であり、その排卵障害は不妊症の原因の一つです。
メトホルミン塩酸塩は、国際的なガイドラインや国内のガイドラインで、PCOS患者さんに対する一般不妊治療における排卵誘発の際、他の排卵誘発薬との併用投与が推奨されています。また、メトホルミン塩酸塩は、同じく国際的なガイドラインや国内ガイドラインで、PCOS患者さんでの生殖補助医療における調節卵巣刺激の際、他の卵巣刺激薬との併用投与が推奨されています。

当社は、本申請が承認されることにより、PCOS患者さんの不妊治療に貢献できるものと期待しています。当社は今後も、患者さんの多様なニーズに応えることにより、医療に貢献していきたいと考えています。

※1:公知申請とは、医薬品(効能追加等)の承認申請において、当該医薬品の有効性・安全性が医学的に公知として、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく行う申請です。
※2:「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、国内では承認されていない医薬品や適応について、医療上の必要性を評価するとともに、公知申請への該当性や承認申請のために追加で実施が必要な試験の妥当性を確認することと等により、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促進するとともに、新薬の開発を阻害することなく、新たな革新的な新薬による治療機会の改善に資することを目的とする検討会議です。厚生労働省が主催し、医学的・薬学的な学識経験者で構成されています。

以上

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