印刷(PDF/173KB)はこちらから 2022年05月10日 ライセンス

前立腺がん治療剤「ORGOVYX」(レルゴリクス)の欧州における独占的販売ライセンス契約締結のお知らせ

住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるマイオバント・サイエンシズ・リミテッド(ニューヨーク証券取引所上場)は、Accord Healthcare, Ltd.(本社:英国 ロンドン)との間で、進行性前立腺がん治療剤「ORGOVYX®(オルゴビクス)」(販売名、一般名:レルゴリクス、以下「本剤」)の、欧州における販売に関する独占的なライセンス契約(以下「本契約」)を締結したことを、2022年5月9日(現地時間)に発表しました。

本契約に基づき、マイオバント社はAccord Healthcare社に対し、欧州経済地域(EEA)、英国、スイスおよびトルコ(以下「Accord Healthcareテリトリー」)において、独占的に本剤の販売を行う権利を許諾します。また、マイオバント社は、中東、アフリカおよびインドにおいて本剤を導出する際に、Accord Healthcare社が優先的に交渉できるオプション権を許諾します。
マイオバント社は、引き続き本剤のグローバルでの開発を担うとともに、Accord Healthcare社に製品を供給します。Accord Healthcare社は、特定の地域における本剤の臨床開発およびAccord Healthcareテリトリーにおける全ての販売を担います。また、本剤の製造に関するオプション権を保有します。

本契約締結の対価として、マイオバント社はAccord Healthcare社より、契約一時金として50百万米ドルを受け取ります。また、マイオバント社は、本剤の発売時マイルストンや売上収益の目標達成に応じた販売マイルストンなどを含め、総額で最大90.5百万米ドルを受け取る可能性があります。さらに、本剤の売上収益に応じた10%台後半から20%台半ばの段階的なロイヤリティを受け取る可能性があります。

本剤は、2022年4月29日に、成人におけるホルモン感受性の進行性前立腺がんを適応症として、欧州委員会より承認を取得しました。本承認は、27の欧州連合加盟国全てに加えて、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用されます。また、現在、英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が本剤の販売承認申請を審査中です。

Accord Healthcare社は、2022年後半に、欧州において本剤の販売を開始することを目指しています。

*本件の詳細についてはマイオバント社のプレスリリースをご覧ください。
https://investors.myovant.com/node/9941/pdf
*本剤の欧州における承認取得については、当社の2022年5月2日付けのプレスリリースをご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/ir/news/pdf/ne20220502.pdf

(ご参考)
前立腺がんについて
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関によれば、欧州における2020年の前立腺がん患者数は約190万人といわれています。
前立腺がんは、前立腺以外に転移している、局所的ではあるが手術もしくは放射線で治療できない、または最初の治療後に再発している場合などに進行性とみなされ、救済手術が適用されません。
進行性前立腺がんの一次治療には、テストステロンを去勢状態(<50ng/dL)まで強力に抑制するアンドロゲン除去療法が選択され、リュープロレリン酢酸塩の徐放性製剤などの黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体アゴニストが現在の標準治療です。LHRH受容体アゴニストは、一部の患者さんで症状悪化につながる恐れがある治療初期のテストステロン上昇や注射剤であることに起因する薬剤中止後のテストステロン回復の遅延などとの関連が示唆されています。

「ORGOVYX®(オルゴビクス)」について
本剤は、欧州委員会より、成人におけるホルモン感受性の進行性前立腺がんを適応症として、米国食品医薬品局(FDA)より、成人の進行性前立腺がんを適応症として、それぞれ初めて承認された唯一の経口ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アンタゴニストであり、GnRH受容体を阻害して、前立腺がんの増殖を刺激することが知られている精巣でのテストステロンの産生を減少させます。

Accord Healthcare, Ltd.について
Accord Healthcare社は、英国のロンドンに本社をおき、欧州で急成長している製薬企業の一つです。同社は、40以上の抗がん剤やがん治療関連の医薬品を販売するとともに、今後5年間で上市を目指す20の開発品を有しています。同社は化学療法関連製品を提供する企業として欧州で最大規模であり、欧州における抗がん剤の注射剤の約3分の1を供給しています。

マイオバント社について
マイオバント社は2016年に設立された、婦人科疾患および男性疾患に対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企業です。マイオバント社はレルゴリクスについて、がん領域および婦人科領域において5つのフェーズ3試験を成功させ、FDAから進行性前立腺がんおよび子宮筋腫に伴う過多月経を適応症とした2つの承認を取得するとともに、欧州委員会から子宮筋腫およびホルモン感受性の進行性前立腺がんを適応症とした2つの承認を取得しています。また、マイオバント社は、米国において子宮内膜症に伴う痛みを対象とした適応追加申請を行い、現在審査中です。さらに、マイオバント社は子宮筋腫または子宮内膜症の女性における避妊効果に関するレルゴリクスのフェーズ3試験を実施中であり、不妊症に対するフェーズ2a試験を完了したオリゴペプチドキスペプチン1受容体アゴニストであるMVT-602(開発コード)を開発中です。
当社はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に2019年12月にマイオバント社を連結子会社化しました。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.comをご覧ください。

以上

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