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くすりのいろは 正しく知ろう
ワクチンのこと
Vol.3 ワクチンの副反応

薬に「副作用」があるのと同じように、ワクチンには「副反応」があります。ワクチンの目的は、「感染症に対する免疫をつくる」ことですが、それ以外の望まない反応が出てしまうことがあるのです。いくらワクチン接種が大切といっても、「怖い」「嫌だな」と思う人もいるかもしれませんね。副反応について正しい知識を身につけておきましょう。

ワクチン接種でみられる副反応とは

ワクチン接種によって副反応が生じてしまうのは、ワクチンに含まれる成分によって、炎症やアレルギーが起こることがあるからです。ワクチン接種による副反応は、ワクチンの種類によって異なりますが、どのワクチンにも共通して生じやすいのは、発熱や、接種した部分の痛み・赤み・腫れなどです。
これらは比較的軽いものですが、まれに急性のアレルギー反応であるアナフィラキシー(コラム参照)のように、重い副反応がみられる場合もあります。

また、生ワクチンの場合は、毒性・病気になる性質は弱めているものの生きた病原体を使用しているため、その感染症の症状が軽く生じる場合もあります。

また、生ワクチンの場合は、毒性・病気になる性質は弱めているものの生きた病原体を使用しているため、その感染症の症状が軽く生じる場合もあります。

副反応があってもワクチンを受けたほうがいい?

「副反応が出るかもしれないのに、なぜワクチン接種を受けないといけないの?」と思うかもしれません。副反応のリスクがあっても、ワクチンは接種したほうが良いのでしょうか?

こういうときは、ワクチンを接種することによるリスクと、感染症にかかってしまうリスクを比較してみましょう。

感染症によるリスク/ワクチン接種によるリスク

たしかにワクチンには副反応のリスクがあります。しかし、ワクチンを接種しなければ、感染症にかかるリスクや、重い症状が出てしまうリスク、周りの人にうつしてしまうリスクを抱えることになってしまいます。感染症によっては、後遺症が残って長期的に苦しむこともあるかもしれません。

一方、ワクチンの副反応は、軽くて自然に治るものや、適切な処置をすれば回復するもの、まれにしか起こらないものも多くあります。もちろん、短い時間であっても具合が悪くなるのはつらいこと。でも、感染症にかかってしまった場合と比べたら、軽く済むことも多いのです。

ですから、ワクチンを接種するかどうか悩んだら、「ワクチンを接種せずにその感染症にかかってしまったら、どんなリスクがあるのか」と、「ワクチンを接種したら、どのような副反応が起こる可能性があるのか」を比較して判断することが大切です。

感染症によるリスク/ワクチン接種によるリスク

ワクチンによる健康被害の救済制度

とはいえ、副反応のリスクはゼロではありません。もし、ワクチンの副反応が原因で、入院が必要になった、後遺症が残ってしまった、亡くなってしまった……といった健康被害が生じてしまった場合は、国の救済制度を利用することができます。これは、ワクチンが原因で健康被害が生じたと認められた場合、医療費や障害年金、葬祭料、一時金などが給付されるものです。
定期接種のワクチンと、任意接種のワクチンで、救済制度が分かれています。

万一のときに備えて、
救済制度を調べておこうね!

定期接種・臨時接種の場合:予防接種法に基づく救済制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html

任意接種の場合:医薬品副作用被害救済制度
https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0001.html

解説

副反応と有害事象の違い

「ワクチン接種後に重い症状が出た」というニュースを聞いたことがあるかな? 「ワクチンを受けたら具合が悪くなるなんて怖い!」と思うかもしれないけど、本当にワクチンのせいで具合が悪くなったのか、それともたまたま別の理由で具合が悪くなったのかは、区別して考える必要があるよね。ワクチンを接種した後に生じる症状は、「副反応」と「有害事象」の2種類に分けられるんだ。

副反応:

ワクチン接種が原因で生じる、免疫ができる以外の反応。

有害事象:

ワクチン接種の後に生じた好ましくない出来事。ワクチン接種との因果関係がわからないものや、ワクチン以外の原因で生じたものも含む。

有害事象/副反応

たとえば、ワクチンを接種した後に、別の病気が原因で熱が出たり、食べ物が原因で嘔吐したり、転んでけがをした場合も「有害事象」に含まれるよ。そして、こういう関係なさそうに思える情報もひとまず集めておいて、詳しく調査をすることになっているんだ。これは、ワクチンと関連のある「副反応」を見逃さないようにするために重要なことなんだよ。

ニュースでは「副反応」と「有害事象」がはっきり区別されないまま報道されることもあるから、すぐに副反応と決めつけず、「これは副反応なのかな? それとも有害事象なのかな?」と冷静に考えることが大切だね。

コラム

アナフィラキシー
(急性のアレルギー反応)

ワクチンによる重い副反応として、アナフィラキシーがあります。アナフィラキシーは、アレルギーの原因となる物質が体に入ることによって、短時間のうちに全身に生じるアレルギー症状のこと。ワクチン以外にも、食べ物、ハチなどによる虫刺され、薬などが原因となって生じることがあります。

アナフィラキシーが生じると、全身に発疹やかゆみが出る、息が苦しくなってゼーゼー音がする、激しい腹痛や吐き気がする、血圧が下がる、といった症状が出ます。また、急激な血圧の低下や意識障害などが生じ、すぐに治療をしないと命に危険が及ぶ状態を「アナフィラキシーショック」と呼びます。

これまでに、薬や食べ物など何らかの物質で、アナフィラキシーなどを含む重いアレルギー反応を起こしたことがある人は注意が必要です。接種後30分は接種会場で様子をみるようにしましょう。接種後30分以降でもアナフィラキシーの症状が出たら、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診してください。

ワクチン手帳

アナフィラキシーが生じると、全身に発疹やかゆみが出る、息が苦しくなってゼーゼー音がする、激しい腹痛や吐き気がする、血圧が下がる、といった症状が出ます。また、急激な血圧の低下や意識障害などが生じ、すぐに治療をしないと命に危険が及ぶ状態を「アナフィラキシーショック」と呼びます。

これまでに、薬や食べ物など何らかの物質で、アナフィラキシーなどを含む重いアレルギー反応を起こしたことがある人は注意が必要です。接種後30分は接種会場で様子をみるようにしましょう。接種後30分以降でもアナフィラキシーの症状が出たら、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診してください。

監修:加藤哲太(日本くすり教育研究所代表)