Patient Support and Advocacy 患者支援とアドボカシー

患者さんとご家族、社会の疾患に関するさらなるリテラシーの向上

市民公開講座の開催

当社は、患者さんおよびそのご家族のみならず、広く一般の方を対象に、疾患についての正しい理解を促進し、社会課題の解決に貢献することを目的に全国で市民公開講座を開催しています。
2022年度はパーキンソン病(PD)・レビー小体型認知症(DLB)関連16件、糖尿病領域9件、精神疾患領域2件の市民公開講座を開催しました。講座は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため主にオンラインやハイブリッド形式で開催しました。PD・DLB関連では「患者さん・介助者の将来を見据え、豊かな日常生活に貢献する」、糖尿病領域では「糖尿病の早期受診の重要性」を共通のテーマとして実施しました。

全講座の参加者は約1,800名で、講座終了後の参加者アンケートでは、約60%の参加者から回答をいただき、回答者の90%以上から講座内容に肯定的な評価を得ました。2023年度は患者さんやそのご家族、介助者の方を取り巻く環境にある社会課題に注力し、社会の疾患に対するさらなるリテラシーの向上に貢献できるよう内容の充実に努めます。

市民公開講座の開催案内については「市民公開講座」をご覧ください。

2022年度市民公開講座 参加者アンケート

本日の講演内容は聴きたかった内容に合致していましたか?
本日の講演内容の理解度はいかがでしたか?
本日の講演内容の満足度はいかがでしたか?
  • 全ての講座で同じアンケートを実施し、回答数を合計して算出。複数回答は不可。

 

 

 

担当者の想い

担当者

 

患者さん、そのご家族、介助者などを取り巻く環境にはさまざまな社会課題があります。
その一つに、疾患に対するスティグマがあります。例えば精神疾患は若い世代で発症することが多いですが、スティグマを恐れて受診を躊躇(ちゅうちょ)してしまう人もいます。当事者やそのご家族、また社会全体が精神疾患に関する正しい知識を身につけることで、精神疾患に対するスティグマを軽減させ、早期発見、早期相談・早期受診を躊躇しない環境を作ることが重要です。糖尿病領域においてもスティグマが存在し、糖尿病であることを周囲に隠してしまうことで適切な治療機会の損失につながっている現状があります。
当社は製薬企業として、医薬品を届ける他にも社会課題解決の一助を担う必要があると考えています。疾患に対する正しい理解を促進することで、患者さんが安心して生活を送ることができる社会形成を目指していきます。
 ※スティグマ:正しく理解されていないために生じる「偏見」

コーポレートコミュニケーション部 CSRグループ 郡 真二郎 (所属部署は取材当時のものです)

 

 

患者さん・一般の方向けの健康情報サイトでの疾患情報の提供

統合失調症と双極性障害を分かりやすく解説

こころ・シェア

当社は、「こころ・シェア(https://kokoro-share.jp)」を通じて、患者さんとそのご家族に統合失調症や双極性障害に関する正しい情報を分かりやすく提供し、適切な診断・治療やよりよい生活に貢献したいと考えています。2023年6月には、統合失調症サイトに、「就労継続のポイント インタビュー動画」を新たに追加しました。動画では、就職するだけではなく、就労を継続するためのポイントを患者さんご本人、就労先、支援者の三者にお話しいただいています。

料理をテーマにしたパーキンソン病のリハビリテーション

パーキンソン病患者さんのためのリハビリキッチン

「パーキンソン病患者さんのためのリハビリキッチン(https://healthcare-sumitomo-pharma.jp/disease/parkinson/kitchen/index.html)」では、料理をしながら一つひとつの動きを意識することがパーキンソン病患者さんのリハビリに繋がることをコンセプトとし、自宅でもできる、料理をテーマにしたリハビリテーションについての動画を交えて紹介しています。患者さんご自身のできる動きを確認しながら、ご家族や介助者の方と一緒に料理をすることを通じて楽しい時間を共有し、健やかな毎日を過ごされることを期待しています。

2型糖尿病のライフスタイルにあった日常のケア

糖尿病マイケアノート

「糖尿病マイケアノート(https://healthcare-sumitomo-pharma.jp/disease/diabetes/)」では、2型糖尿病と診断された方に今日からできる日常のケアとして食事療法や運動療法を紹介しています。簡単にできることから、ちょっと準備が必要なものまで紹介していますので、ライフスタイルに合った継続しやすい食事・運動療法を日々の生活に取り入れて実践いただくことを期待しています。

 

精神疾患をもつ方々の就労・社会復帰支援

特例子会社「ココワーク」を通じた支援

精神疾患の領域では、疾患をもつ方々の就労定着率が低いという社会課題があります。当社は、精神疾患領域の創薬に注力するとともに、医薬品だけでは解決が難しい精神疾患をもつ方々の就労・社会復帰を支援する取組の一つとして、当社の特例子会社「株式会社ココワーク(https://www.cocoworkjoy.com/)」を設立しました。
「ココワーク」では精神疾患をもつ方々とともにフリルレタスやルッコラ、スイスチャードなどの葉物野菜を水耕栽培で育て、スーパーやレストランに販売しています。こども食堂への野菜提供も行っています。また、大阪・兵庫で人気の珈琲店ヒロコーヒーとのコラボも始めました。
当社では今後も特例子会社「株式会社ココワ―ク」の取り組みを推進し、精神疾患をもつ方々の就労支援に取り組んでいきます。

ココワーク1
ココワーク2

「ココワ―ク」での収穫作業の様子

ココワーク3

 

患者団体との協働、寄付を通じた支援活動の推進

国内団体等への支援

当社はスローガン「Innovation today, healthier tomorrows」のもと、「患者さんやご家族の一人ひとりが、より健やかに、自分らしく過ごせるように」との想いで患者支援活動に取り組んでいます。

主な寄付先(2022年度)

  • 公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会
  • 一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会
  • 認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク
  • Rare Disease Day日本開催事務局
  • 一般社団法人 全国パーキンソン病友の会
  • 公益財団法人 認知症の人と家族の会
  • 公益財団法人 がんの子どもを守る会
  • 公益社団法人 日本てんかん協会
  • 特定非営利活動法人 日本ナルコレプシー協会
  • 一般社団法人 日本ALS協会

その他、国内外の患者支援活動については「活動報告」をご覧ください。

 

患者団体との適切な関係性

行政、医療界ともに「患者の声」をより重視するようになり、行政当局の委員会や検討会に、患者団体の代表者が委員として参画することも増えてきています。このように、患者団体は、より良い医療を実現するための重要なステークホルダーになってきています。

このような状況において、患者団体との連携活動が高い倫理性を担保したうえで行われていることを広く社会に周知し、ご理解頂くことは重要であると考えます。

日本製薬工業協会では、2012年3月14日に「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」を策定しました。これを受けて、会員会社である当社においても、2013年4月に「患者団体等との連携における透明性に関する指針」を制定しました。本指針に従い、患者団体・支援団体に対する支払い等の情報を、当社ウェブサイトを通じて公開します。

患者団体等との連携における透明性に関する指針

住友ファーマ株式会社(以下「当社」といいます。)は、社会に対する使命を「理念」に掲げています。そして、「理念」の実現に向け、自らの企業活動における基本姿勢を示した「行動宣言」に基づき、誠実な企業活動の遂行、積極的な情報開示と適正な情報管理等に努めております。

当社は、これからの医療と健やかな生活に貢献するために、重要なステークホルダーである患者団体等と連携しています。当社はこの連携における透明性を高め、社会からさらに高い信頼を得られる企業となることを目指し、この指針に基づいて、患者団体等への金銭の支払等に関する情報(以下「患者団体連携情報」といいます。)を公開いたします。

  1. 患者団体等の定義
    患者団体等とは、国内の患者・家族またはその支援者が主体となって構成され、患者の声を代表し、患者・家族を支えるとともに、療養環境の改善等を目指し、原則として、定款・会則により定義された役割や目的を持つ団体をいい、その形態は問いません(例:患者会、支援団体、社団法人、NPO等)。ただし、災害時の医療救援活動や医療技術支援活動など、医療行為を伴う取組を行う団体は含みません。
  2. 公開の時期および方法
    各年度(当年4月1日から翌年3月末日まで)の患者団体連携情報を当該年度の決算発表後に当社のウェブサイトを通じて公開いたします。
  3. 公開の範囲および内容
    当社が公開する患者団体連携情報の範囲および内容は、次のとおりとします。
    1. A 直接的資金提供※1
      寄付金・協賛費、会員・賛助会員費 、広告費等の費用
    2. B 間接的資金提供※2
      患者団体等の支援を目的とした企業主催・共催の講演会、説明会、研修会等に伴う費用(外部業者に委託した費用を含む。)
    3. C 原稿執筆料等
      当社が患者団体等に依頼する講演、原稿執筆、調査、アドバイザー等に関して患者団体等に支払う費用
    4. D その他
      労務提供※3の有無
    • ※1直接的資金提供
      患者団体等の活動支援、周年事業その他の事業運営の支援を目的として、直接、患者団体等に支払う費用です。
    • ※2間接的資金提供
      直接的資金提供、企業からの依頼事項に対する謝礼等、労務提供以外のことを言います。間接的資金提供は、経費を会員会社が業者等に支払うことで、患者団体に支援等を提供するものです。
    • ※3労務提供
      講演会等の手伝い、ノウハウ提供、技能や技術の提供です。