Medical Science メディカルサイエンス

「ニーズは現場にあり」自社医薬品の真の価値の提示

当社は、患者さんとそのご家族、医療関係者の方々のニーズを的確に捉え、そのニーズに応えることのできる客観性、公平性、信頼性、そしてエビデンスレベルの高い情報を創出・提供・発信すべく、メディカルアフェアーズ部とメディカルインフォメーション部が、同じ担当執行役員のもと、メディカルサイエンス体制として連携して活動してきました。一方、現場におけるニーズは様々で、多様化している背景があることから、より高質かつタイムリーなメディカル活動を推進するために、2023年4月に両部を統合し、新たにメディカルサイエンス部として活動をしています。
医薬品は化合物情報に、市販後の情報(エビデンス)が追加・付加されることで価値が高まっていきます。患者さんとそのご家族、医療関係者の方々にとって十分に満たされていない医療ニーズ「アンメット・メディカル・ニーズ」の把握に日々努め、それらのニーズを充足できるよう様々なエビデンス構築活動を推し進めています。創出したエビデンスに基づく情報は、医薬品を扱う医療関係者の方の安心材料となり、服用する患者さんの適切な治療に結び付くために欠かせないものと考えています。

メディカルアフェアーズ機能

メディカルアフェアーズ機能としては、日本製薬工業協会より発出されている自主基準※1「メディカルアフェアーズ(MA)の活動に関する基本的考え方」および「メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)の活動に関する基本的考え方」に基づき活動を行っています。自社医薬品の販売促進を目的とせず、営業活動から独立性を担保したうえで、医療関係者と高度な医学的・科学的交流を通じ、エビデンス創出・提供・発信等を行うことで、患者さんや医療関係者にとっての自社医薬品の医療価値最大化、および適正使用の推進に取り組んでいます。MSLは、医療関係者と双方向の科学的議論を通じて、新規エビデンスの構築や剤型追加・効能拡大につながる医療ニーズを同定するとともに、医療関係者の方々からの問い合わせに対応する質の高い情報提供を行うことを心がけています。2023年3月には、日本製薬医学会(JAPhMed)が定める MSL認定制度に基づく認証を取得※2しています。

メディカルアフェアーズ機能

現在は主に精神神経領域、糖尿病領域およびがん領域におけるエビデンス創出・提供・発信などのメディカル活動を推進しており、エビデンス創出活動で得られた研究結果は学会発表、論文公表を通じて医療関係者等へ情報発信※3しています。また、世界的に活用が進んでいるリアルワールドデータ等を用いたデータベース研究にも数多く取り組んでおり、それらの研究結果を透明性高く公表していくことで、医療関係者の方々の日々の診療に役立てていただけるものと考えています。SDGsの達成には、世界の全ての地域において政府やその他の意思決定者が必要なリソースにアクセスし、科学技術・イノベーションに全力を注ぐことができる体制が必要とされています。当社は、研究成果を可能な限りオープンアクセスの学術論文として公開することにより、SDGsの達成に貢献できると考えています。

担当者の想い

日本製薬医学会(JAPhMed)MSL認証マーク

メディカルサイエンス部は患者さんやそのご家族の声、医療関係者の声に耳を傾け、それらの情報からニーズを的確に、かつタイムリーに把握することに努めています。 医療関係者のニーズに合わせた専門性の高い情報をウェブサイトから発信する取組も新たに始めました。ニーズは変化することもあるため、その変化を捉えられるようアンテナを高くし、必要に応じて柔軟に対応していきたいと考えています。 ニーズに対しサイエンスで応え、患者さんの健康と医療の発展に貢献し続ける活動を目指していきます。

メディカルサイエンス部 MSLグループ 畠 純三 (所属部署は取材当時のものです)

メディカルインフォメーション機能

メディカルインフォメーション機能としては、当社製品を適正に使用していただくための資材を作成し、MR(医薬情報担当者)を通じて「科学的根拠に基づく製品情報」の適切な提供を推進しています。 また、医療関係者が患者さんに説明するための資料として、薬の服用方法や、副作用の具体的な症状などについて記載した「くすりのしおり」や「患者向医薬品ガイド」などの説明用資材を作成しています。これからの地域医療を24時間サポートできるよう、患者さんやご家族向けまたは医療関係者向けの当社ウェブサイトなどを活用して、患者さんやご家族、医療現場のニーズに応え、わかりやすい情報を提供・発信していきます。

製品情報検索システム

医薬品は、有効性および安全性に関する製品情報とともに使用していただくことで、その効果を発揮します。当社は、製品情報の迅速かつ的確な提供が、患者さんや医療関係者にとっての自社医薬品の医療価値最大化につながると考えています。そのため、ウェブサイトでの情報提供に加え、社内製品情報システムを使い、医療関係者からの問い合わせに対し、MRやくすり情報センターからの迅速かつ的確な情報提供に努めています。、医療関係者のニーズを意識した内容の見直しやコンテンツの充実を図り、情報の信頼性の向上と顧客満足につながる情報提供に努めていきます。

「情報のハブ(中核)として」顧客の声のさらなる活用を推進

当社製品に関連した問い合わせ窓口として、メディカルサイエンス部に「くすり情報センター」を設け、患者さんやそのご家族、医療関係者からの問い合わせに対応しています。今後も迅速・的確・丁寧に適正使用情報を提供することにより、患者さんの健康に寄与していくとともに、問い合わせ対応により得た顧客の声を分析し、社内に適切にフィードバックし、顧客の声のトレンドを見える化するなど、改善につなげる役割を強化していきます。

2022年度の問い合わせ総数(2022年4月1日~2023年3月31日):約3万4百件

くすり情報センターへの問い合わせ総数等の詳細な情報は「ESGデータ一覧」をご覧ください。

当社は、グローバルに存在感のある研究開発型企業として、アンメット・メディカル・ニーズの高い領域での革新的で有用な医薬品の創出を目指しています。メディカルサイエンス部による当社製品に関する質の高い情報の創出、提供活動により、人々の健康で豊かな生活のためにさらなる貢献に努めます。