Development of the Next Generation 次世代育成

製薬企業としての強みを生かした「学びの機会」の提供

出張授業の実施

当社は、社会貢献活動の一環として、医薬品づくりの経験を通した次世代育成支援活動に取り組んでいます。その一つとして、2012年度から中学校や高校にて当社の社員が企業講師となる「出張授業」に取り組んでいます。2012年に開始以来、130校以上の中学校、高校で実施し、12,000人以上の生徒に授業を行ってきました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、出張授業に加えて、オンライン型授業も実施しています。
この授業では、道徳や総合的な学習、教科発展(理科、社会科、家庭科など)のカリキュラム・マネジメントを踏まえ、2020年10月からは、「ゲノム解析」や「遺伝」をテーマとした「当社独自の授業プログラム」で高校生を対象に実施しています。本プログラムは、生命や倫理といった正解がないものに対して、生徒が自らと異なる他者のさまざまな考え(多様性)を受け入れながら、自分はどう判断するのかを考え、自分なりの意見を導き出す「道徳実践力」の育成をサポートするもので、経済産業省や実施した学校の先生方から高い評価を得ています。

住友ファーマ株式会社 道徳教育プログラム 科学技術と人の幸せ

こうした取り組みは、子どもたちの科学への興味・関心を喚起し、地域コミュニティの教育の質を向上させるだけでなく、当社への信頼感を高めるものと考えています。

「SDGs Questみらい甲子園」への参画を通じて高校生を応援

社会課題の解決に向けて、高校生の皆さんの新しい発想を応援したいという想いから、2019年度より「SDGs Questみらい甲子園※1」関西エリア大会に特別協賛という形で参画しています。
2021年度の「大日本住友製薬※2賞」は兵庫県立兵庫高等学校のグローバルリサーチ2班が考案した「メンタルヘルスに対する偏見をなくして相談に行こう」を選出しました。チェックシートやInstagramを活用し、自分たちができる対策を推進することで、メンタルヘルスに対する偏見をなくそうというものです。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、メンタルに不調をきたしている学生が増えているという身近な課題を解決したいという思いやりと、周りの人たちを巻き込む行動力や高い実効性を評価しました。
当社はこれからも次世代育成支援活動に取り組むとともに、さまざまなステークホルダーと連携しながらSDGs達成への貢献に向けて挑戦していきます。

  • ※1SDGs Questみらい甲子園:高校生が持続可能な地球の未来を考え行動するために、SDGsを探求し、社会課題解決に向けたアイデアを考える機会を創発し、そのアクションアイデアを発表・表彰する大会
賞として選出された様子

兵庫県立兵庫高等学校が考案したテーマ「メンタルヘルスに対する偏見をなくして相談に行こう」を大日本住友製薬※2賞として選出

  • ※22022年3月時点での当社の社名

ウェブサイト「すこやかコンパス」の掲載

当社は、2012年度より、未来を担う子どもたちおよびそのご家族に向けて、当社ウェブサイトに「すこやかコンパス」を掲載しています。
iPS細胞を用いた最先端の薬の研究開発の話から製薬会社の具体的な仕事内容や薬の使い方、薬の自由研究の方法、最新の話題として新型コロナウイルスワクチンの解説まで、薬にまつわるコンテンツが充実しています。
子どもたちに親しみをもっていただけるよう10代に人気のイラストレーターを起用し、ナビゲーターの「スコッピィ」が薬に関して解説したり、疑問に答えたりしています。
2020年1月に、中高生の健康の維持・増進、体の不調の対策などの一助となるよう「月刊からだコラム」を追加しました。また、2020年10月には、健康とSDGsの関係を示すとともに、SDGsの各目標に関連した同世代の活躍や当社の取り組みを紹介する「未来つくろう!SDGs部」を追加しました。
2021年7月には、10代に⼈気のイラストレーターによる新しいイラストをキービジュアルとして、「すこやかコンパス」をリニューアルし、紹介動画をYouTubeにも掲載しました。
すこやかコンパスが、子どもたちが薬に対する興味・関心をもつきっかけとなり、薬を正しく理解し使用することの大切さを学ぶくすり教育の一助になることを願っています。

すこやかコンパス
「すこやかコンパス」のナビゲーター スコッピィ

「すこやかコンパス」のナビゲーター スコッピィ

すこやかコンパスの主なコンテンツ

コンテンツ名 掲載内容
月刊からだコラム 中高生の日常に関係のある、からだや健康などに関する話題を紹介
未来つくろう!SDGs部 健康とSDGsの関係、SDGsに関する中高生の取り組み、当社の取り組みを紹介
薬の「こまった!」解決帳 薬局やドラッグストアで買える「市販薬」を選ぶとき、薬を飲むときに役立つ事例の紹介
くすりの仕事図鑑 製薬企業での仕事、薬剤師の仕事、その他薬に関する仕事を紹介
薬の自由研究ガイド 薬に関する自由研究の方法や研究のまとめ方についてのガイド
くすりの挑戦 当社における最先端の薬の研究開発を紹介
くすりのいろは 薬の役割、薬が作用する仕組み、薬が誕生するまでの道のり、ワクチンの解説など、身近なのに意外と知らない薬に関する情報を紹介
おくすりQ&A 薬の飲み方などについて、Q&A形式で解説
すこやか活動レポート 当社が取り組んでいる「すこやか」を応援する社会貢献活動を紹介

朝日新聞社「おしごと年鑑」に協賛

当社は、2021年度より次世代育成支援活動の一つとして、朝日新聞社が発行するキャリア教育支援教材「おしごと年鑑」に協賛しています。「おしごと年鑑」は小・中学生に向けたキャリア教育用副教材として発行されている書籍で、全国約3万校の国公私立小学校、中学校と教育委員会へ無償で提供されます。
当社は「未来を生み出す科学技術のお仕事」の一つとして、iPS細胞とその活用方法についてわかりやすく説明しています。
「おしごと年鑑」WEB版の掲載内容はこちらからご覧になれます。
https://oshihaku.jp/nenkan/page/14376958

おしごと年鑑2022_表紙
おしごと年鑑2022_内容

「おしごと年鑑2022」の掲載内容

旧サノビオン社、地元公立学校との共同プログラムで生徒による神経科学の授業を支援

旧サノビオン社は、2019年より地元マサチューセッツ州の公立学校であるアドバンスト・マス・アンド・サイエンス・アカデミー・チャータースクール(AMSA)と共同でピアティーチング※3・プログラムを実施しています。このプログラムはSTEM教育※4の一環として、生徒たちが製薬会社におけるライフサイエンス関連のキャリアパスについて学ぶとともに、専門的なスキルを習得し、神経科学に関する知識を深められるよう計画されたものです。
AMSAのピアティーチャー(高校2年生と3年生)は、中学1年生の生徒を対象に生物学の既存カリキュラムを強化・補完することを目的として、中枢神経系と末梢神経系に関する授業計画とプレゼンテーションを作成し、リモートまたは対面でピアティーチングを実施しました。
2022年5月、旧サノビオン社はAMSAの教職員代表と共にプログラムの修了式典をオンラインで開催し、AMSA生徒を称えるとともに本プログラムの3年目完了を祝いました。高校3年生の生徒には、例年通り、ヘルスケア、ライフサイエンス、神経生物学といった分野のさらなる学習を支援するための奨学金が贈られました。

オンラインで開催されたセレモニーの様子

ピアティーチング・プログラムの成功を祝してオンラインで開催されたセレモニーの様子。AMSAの教職員代表と生徒の皆さん

  • ※3ピアティーチング:学習者同士で教え合うこと
  • ※4STEM教育:"Science, Technology, Engineering and Mathematics"の略。科学・技術・工学・数学の教育分野を個々に学ぶのではなく、横断的に学ぶ教育。社会の変化に対応し「創造性や独創性をもって問題を解決し、新たな価値を創造できる人物」を育成するための21世紀型教育といわれている

住友制葯(蘇州)有限公司、「大学生のメンタルヘルスと健康に関する科学講座」を実施

住友制葯(蘇州)有限公司は、近年、中国社会においてメンタルヘルス教育の問題、特に大学生のメンタルヘルス問題が一層注目されていることを受け、2021年に、大学でメンタルヘルスと健康に関する科学講座を実施しました。上海ホイラン心理コンサルティングスタジオと協力し、武漢と合肥を含む11の大学で11回の講義を行い、合計2,994人の学生が参加しました。
また、学生が精神疾患を科学的に理解することを目的として、うつ病の教育ビデオを作成しました。精神疾患への偏見をなくすことで、より多くの学生が自分の状態を理解し、他者を支援できるようにすることを目指しています。中国の多くのメディアで継続的に放送され、2022年1月から3月までの累計視聴回数は134,000回でした。

武漢の大学での講義の様子

武漢の大学での講義の様子

うつ病教育ビデオの1シーン

うつ病教育ビデオの1シーン