Provision of Stable Supplies 安定供給

安定供給体制の確立

国内の自社工場での製造を基盤とし、国内外のパートナーとも連携して製品の安定供給体制を構築しています。営業本部や事業開発推進部・海外子会社・提携先との連携強化による生産計画の精度向上や原薬のダブルソース化、製剤製造や包装に関するサプライチェーンの最適化などにも積極的に取り組んでいます。また、さらなる競争力強化に向け、原価低減など改善活動に取り組むとともに、リードタイム短縮といった工場における生産性向上にも積極的に取り組んでいます。

鈴鹿工場と大分工場
鈴鹿工場

当社の製剤の基幹工場であり、原薬から製剤・包装まで医薬品の製造を一貫して行う設備を整えています。cGMP(米国の最新GMP)に対応した固形製剤棟を有し、製品をグローバルに供給しています。

大分工場

当社の原薬の基幹工場であり、cGMPに対応した原薬製造設備を有し、原薬を365日、24時間体制で製造しています。

 

グローバルサプライチェーンの強化

当社は、安定供給体制のさらなる強化に向けて、海外からの原料・医薬中間体の調達や海外工場での製造など、グローバル化の進展を踏まえたグローバルサプライチェーンの強化に継続的に取り組んでいます。

具体的には、医薬品に使用する原材料などを、安定・安全に調達するため、調達先の複数化、代替品検討、備蓄対応などの「原材料供給途絶対策」を継続的かつ計画的に推進しています。

グローバルサプライチェーンの強化

2023年度は当社主力品の海外販売の転換期を迎えており、製品の生産・供給体制についても自社工場を最大限活用しつつ、海外の委託先を活用するなど、製品構成と外部環境変化に合わせてサプライチェーンの再構築に取り組んでいます。
海外調達に関しては、トラブルへの迅速な対応はもちろんのこと、海外取引先との円滑なコミュニケーションや誠実な調達活動を通じて、より深い信頼関係を構築することにより、トラブルの未然防止と供給不安の解消を図っています。

また、CSR調達として、公平・公正で透明性のある取引を行うため、取引基本契約の締結、下請法をはじめとする関係法規の遵守、取引先の評価などを継続的に実施しています。

調達に関する基本的な考え方については「CSR調達」をご覧ください。

事業環境の変化への対応

現在の日本では、後発医薬品の使用促進や長期収載品の薬価引き下げなどの医療費抑制策が強化されるなど、医薬品産業を取り巻く環境は大きく変化しています。当社は、海外子会社やパートナーの事業環境の変化を受けて海外展開の転換期を迎えていますが、国内においては、後発医薬品の供給不足や糖尿病領域の新製品の販売拡大により製品供給が増えています。
当社は、このような事業環境の変化に対応すべく、生産量の変化への柔軟な対応、安定的かつ効率的な生産体制の構築、コスト競争力の維持・強化を目的として、生産拠点である鈴鹿工場と大分工場を最大限活用したサプライチェーンの強靭化を進めています。加えて、サプライチェーン上のリスクを把握し、可視化することで、リスクを最小限にする取組を行っています。
今後も、3安(工場を安全に操業し、安心して使っていただける品質の製品を安定的に供給していくこと)の確保を第一にするとともに、より一層の生産性の向上を図り、製造コスト低減に向けた努力を続けていきます。

物流体制の強化

供給体制

神戸市とさいたま市の2カ所の物流センターから、全国の特約店に、受注から原則48時間以内(近隣地域は24時間以内)に製品をお届けできる体制を実現しています。加えて、災害などの緊急時においても、安定供給を維持するために、事業継続計画(BCP)等の充実に取り組んでいます。また、物流2024年問題への対応を検討するとともに、GDP全社指針(ガイドライン)のもと、保管や輸送時の製品品質の維持、管理に努めています。

  • GDP:Good Distribution Practice 医薬品の適正流通基準