印刷(PDF/170KB)はこちらから 2012年07月27日 研究開発

世界初の統合失調症治療用テープ製剤の第Ⅱ相試験に着手

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)と日東電工株式会社(本社:大阪市、社長:柳楽 幸雄)は、経皮吸収による統合失調症治療剤として、非定型抗精神病薬「ロナセン®」(一般名:ブロナンセリン)のテープ製剤の第Ⅱ相試験に着手いたしましたのでお知らせします。

健康成人を対象に実施した第Ⅰ相試験において、テープ製剤の単回および反復投与によりブロナンセリンの良好な経皮吸収性を確認することができました。この結果を受けて両社は、最適な貼付条件を検討するため患者さんを対象にした第Ⅱ相試験を開始いたしました。

世界初となる統合失調症治療用テープ製剤の実用化に向け、患者さんやご家族、介護者の皆さまのご期待に応えられるよう、両社は迅速な開発に取り組んでまいります。

以上

(ご参考)

<テープ製剤の一般的な特長>

  • 投薬期間中安定した血中濃度を維持することができる。また食事の影響を受けにくい。
  • 経口投与が困難もしくは経口投与を希望されない患者さんに新たな治療の選択肢を提供する。
  • 投薬状況を視覚的に確認できる。

<共同開発の背景>
大日本住友製薬は、数多くの医療用医薬品を開発しており、2008年4月より統合失調症治療の経口剤(錠剤および散剤)として、ロナセン®を国内で販売しています。また日東電工は、様々な薬物を皮膚から吸収させ、体内に導く経皮吸収治療システムとして、経皮吸収型テープ製剤設計の技術を確立しています。両社の医薬品と製剤技術を融合させ、統合失調症治療用として経皮吸収型テープ製剤の共同開発を2010年より行っています。

<ロナセン®とは>
ロナセン®は、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善効果を示すことが臨床試験にて示されています。また、錐体外路症状の発現率は低く、体重増加や高プロラクチン血症等の副作用も少ないことが示されています。

<統合失調症とは>
統合失調症とは精神疾患の一つで、国内では約80万人が罹患しているといわれています。統合失調症の発症には、中脳-辺縁系や中脳-皮質のドパミン神経が関連していると考えられ、幻覚・妄想などの陽性症状、情動の平板化/思考の貧困/意欲の低下などの陰性症状、および注意力低下/情報処理能力障害などの認知機能障害等、様々な精神症状が現れることが知られています。

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