印刷(PDF/173KB)はこちらから 2013年12月02日 研究開発

ヘリオスと大日本住友製薬の再生・細胞医薬事業に関する提携のお知らせ~世界初のiPS細胞技術を用いた再生・細胞医薬事業に向けた共同開発~

株式会社ヘリオス(旧:株式会社日本網膜研究所、本社:東京都、社長:鍵本 忠尚、以下、「ヘリオス」)と大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世、以下、「大日本住友製薬」)は、本日、加齢黄斑変性等の眼疾患を対象としたiPS細胞由来網膜色素上皮細胞(RPE細胞)を用いた国内における共同開発契約を締結しましたので、お知らせします。

本共同開発契約に基づき、両社は、iPS細胞由来RPE細胞を細胞医薬品として、国内での早期の使用を可能にすべく、早期の臨床試験着手および新薬事法下での加齢黄斑変性等の疾患を適応症とする製造販売承認取得を目指します。
本共同開発の方針、分担、意思決定等は両社で構成する共同開発委員会で決定します。大日本住友製薬が提供する最大52億円の開発費用を基に、国内におけるiPS細胞由来RPE細胞による細胞医薬品(以下「RPE細胞医薬品」)の開発を共同で行い、ヘリオスが製造販売承認の取得および販売を行うことに合意しています。

また、両社は、将来的に本共同開発によって製品化されるRPE細胞医薬品に関して、その製造や販売促進を両社で共同して行うため、本日、合弁契約を締結しました。本合弁契約に基づき、両社は、2014年2月を目途として、合弁会社を設立する予定です。

さらに、両社は、本日、ヘリオスが保有する眼疾患領域におけるiPS細胞由来RPE細胞の大量培養を始めとする各種技術・ノウハウに関する実施許諾契約を締結しました。大日本住友製薬は、本実施許諾契約の締結により、ヘリオスの保有する技術・ノウハウを取得し、再生医療/細胞医薬分野における取組みをさらに強化できると考えています。一方、ヘリオスは、本実施許諾契約に基づき、大日本住友製薬より契約一時金として5億円、開発時マイルストンとして最大11億円を受け取ります。

両社は、加齢黄斑変性を始めとする難治性網膜疾患を罹患する方々に一刻も早く治療法を提供するために、相互に協力してiPS細胞を用いた細胞医薬品の製品化に取組む所存です。

以上

*両社は、2013年3月28日に、大日本住友製薬がヘリオスに出資し、両社間でiPS細胞技術の製品化に関する連携に向けて協議を進めることについて、基本合意書を締結したことを発表しています。

(ご参考)

共同開発契約の対象:

  • (1)製品 : iPS細胞由来RPE細胞
  • (2)適応症 : 眼疾患(滲出型加齢黄斑変性(Wet AMD)など)
  • (3)地域 : 日本

合弁会社の概要:

  • (1)会社名 : 未定
  • (2)所在地 : 未定
  • (3)代表者 : 鍵本 忠尚
  • (4)事業内容 :眼疾患領域における医薬品・医療機器及び再生医療等製品の製造販売等
    *合弁会社は、共同開発で得られた成果を、ヘリオスおよび大日本住友製薬からライセンスを受けます。成果に伴う対価を合弁会社から両社へ均等に配分します。
  • (5)資本金 : 5,000万円
  • (6)設立年月 : 2014年2月(予定)
  • (7)株主構成 : ヘリオス 50%、大日本住友製薬 50%

ヘリオスの概要:

ヘリオスは、独立行政法人理化学研究所認定ベンチャーであり、理化学研究所が発明した日本発の技術に係る特許の実施許諾に基づいて、iPS細胞から分化誘導したRPE細胞移植による、加齢黄斑変性の新たな治療法を開発することを目指しています。さらにこの治療開発を端緒として、他領域のiPS細胞を用いた治療方法開発、視細胞移植、網膜再生薬、検査法開発などにより、現代の難治性疾患を治療可能な疾患にすることを目指しています。

大日本住友製薬の概要:

大日本住友製薬は、アンメット・メディカル・ニーズの高い精神神経領域およびがん領域を重点領域に、革新的な医薬品の創製を目指しています。さらに、iPS細胞などの最先端サイエンスを創薬に応用するとともに、再生医療や細胞医薬の取り組みを強化し、難治性疾患の治療薬の開発にも挑戦しています。



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