印刷(PDF/102KB)はこちらから 2018年02月26日 ライセンス

大日本住友製薬とJCR ファーマの中枢神経系疾患治療薬創製に関する血液脳関門通過技術のライセンス契約締結のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:多田 正世、以下、「大日本住友製薬」)とJCRファーマ株式会社(本社:兵庫県芦屋市、代表取締役会長兼社長:芦田 信、以下、「JCRファーマ」)は、2018年2月26日、大日本住友製薬が選定した候補物質に、JCRファーマが保有する血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用し、両社が権利を共有する薬剤(以下、「本剤」)に関し、大日本住友製薬が特定の中枢神経疾患に対する治療薬として開発することに合意し、JCRファーマが保有する権利のライセンス契約を締結しましたので、お知らせします。

本契約に基づき、大日本住友製薬は、JCRファーマが保有する権利のライセンスを受け、日本および北米において、特定された中枢神経疾患を対象として本剤を独占的に研究開発・販売する権利を保有し、JCRファーマに対して契約一時金および開発段階に応じた開発マイルストンとして総額37億円を支払う可能性があります。また、販売後は、販売額に応じたロイヤルティおよび販売額の目標達成に応じた販売マイルストンを支払います。なお、大日本住友製薬は、適応症の拡大および地域(中国)の追加に関するオプション権を保有しています。

大日本住友製薬は、アンメット・メディカル・ニーズの高い中枢神経領域において、本剤が革新的な治療薬となることを期待しています。

JCRファーマは、J-Brain Cargo®を適用した血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤(開発番号:JR-141)の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を実施し、良好な結果を得ておりますが、自社開発品以外ではJ-Brain Cargo®適用薬剤の初めてのライセンス契約となります。

以上

(ご参考)

【ライセンス契約締結の背景】

2015年6月17日付けのプレスリリースでお知らせしましたとおり、両社はフィージビリティスタディ契約を締結し、特定の中枢神経疾患に対する本剤の治療薬としての可能性について検討してきましたが、このたび本剤が両社で定めたクライテリアを達成したためライセンス契約を締結しました。

【J-Brain Cargo®について】

J-Brain Cargo®は、脳毛細血管の内皮細胞表面に発現しているトランスフェリンレセプターを介して目的とする物質の血液脳関門通過を実現する技術であり、JCRファーマが実施した非臨床試験では通常の20~100倍の効率で血液脳関門を通過させることができました。
当該技術は、対象となる高分子から低分子までの薬剤に血液脳関門通過能を付与できる画期的な技術であり、静脈内投与で十分量の薬剤が脳内に到達して薬効を発揮するため、これまで改善が期待できなかった脳神経症状を伴う病態に対し、改善効果が期待されます。

【大日本住友製薬について】

大日本住友製薬は、アンメット・メディカル・ニーズの高い精神神経領域およびがん領域を研究重点領域とし、革新的な医薬品の創製を目指しています。さらに、治療薬のない疾患分野や再生・細胞医薬といった新規分野への研究開発活動に取り組んでいます。

【JCRファーマについて】

JCRファーマは、ライソゾーム病をはじめとする希少疾病を重点領域として、画期的な新薬創出 に取り組んでいます。細胞・再生医療、遺伝子組換え技術等による医薬品の研究開発・製造・販売を行う企業として、人々の健康と医療の未来に貢献することを目指しています。

報道関係者の皆さまからのお問い合わせ