印刷(PDF/279KB)はこちらから 2020年04月24日 研究開発

大日本住友製薬と医薬基盤・健康・栄養研究所によるユニバーサルインフルエンザワクチンの共同研究契約締結のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(茨木市、理事長:米田 悦啓、以下「医薬健栄研」)は、このほど、ほとんどのインフルエンザウイルスに対し幅広い効力を持つインフルエンザワクチン(ユニバーサルインフルエンザワクチン)の実用化に向けた共同研究実施に関する契約を締結しましたので、お知らせします。

毎年、全世界で300~500万人が季節性インフルエンザ感染により重症化し、29~65万人が死亡します(出典「Lancet 2018」)。従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失うため毎年流行株にあったワクチン株の選定・製造・接種が必要であり、新型インフルエンザに対応することは困難です。そのため、季節性インフルエンザに対する幅広く持続的な効果を持ち、パンデミックに発展する可能性のある新型インフルエンザにも対応できるユニバーサルインフルエンザワクチンの実用化が求められています。

本共同研究は、大日本住友製薬が所有するTLR7アジュバント(DSP-0546LP)添加ワクチン製剤を用いて、医薬健栄研が次世代型フローサイトメーター等の最先端技術を活用した免疫解析法の開発や臨床バイオマーキングを行い、大日本住友製薬が非臨床試験・臨床試験を実施します。

両者は、本共同研究を通じて、季節性だけでなくパンデミックインフルエンザを含む様々な亜型に対して効果を示す画期的な次世代型ワクチンの創製を目指します。

*本共同研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の2019年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE):第4回公募」において「一般型 研究開発タイプ」に採択されています。
(課題名「万能インフルエンザワクチンの研究開発」、代表機関名:大日本住友製薬)

(ご参考)

○TLR7ワクチンアジュバント製剤(DSP-0546LP)について

ウイルス由来のRNAを感知して自然免疫応答を引き起こすToll様受容体の一つであるTLR7を特異的に活性化させる物質を含む製剤です。抗原に添加することによって免疫応答の量、質および持続性を高める免疫増強作用を有します。

○次世代型フローサイトメーターについて

蛍光物質でラベルされた細胞にレーザー光を照射し、単一細胞レベルで検出・分離することのできる、革新的な自動細胞解析分離装置です。新しいワクチン等の安全性、有効性予測につながるバイオマーカーをより鋭敏に見出すことができると期待されます。

○医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE:Cyclic Innovation for Clinical Empowerment)について

産学官連携により、我が国の力を結集し、医療現場ニーズに的確に対応する研究開発の実施や創薬等の実用化の加速化等が抜本的に革新される基盤(人材を含む)の形成、医療研究開発分野でのオープンイノベーション・ベンチャー育成が強力に促進される環境の創出を推進することを目的とする国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業です。詳しくは、AMEDのウェブサイト(https://www.amed.go.jp/koubo/07/01/0701C_00006.html)をご覧ください。

○大日本住友製薬について

大日本住友製薬は、人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献することを企業理念としています。当社は、この理念を実現するため、また、日本はもちろん世界の方々に革新的で有用な医薬品をお届けするため、新薬の研究開発に全力を注いでいます。当社は、アンメット・メディカル・ニーズの高い精神神経領域、がん領域および再生・細胞医薬分野を研究重点領域とし、革新的な医薬品の創製を目指しています。詳細は、https://www.sumitomo-pharma.co.jp/をご参照ください。

○医薬基盤・健康・栄養研究所について

2015年4月1日に医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所が統合し、医薬基盤・健康・栄養研究所として設立されました。本研究所は、メディカルからヘルスサイエンスまでの幅広い研究を特長としており、我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全な発展その他の公益に資するため、研究開発の最大限の成果を確保することを目的とした国立研究開発法人として位置づけられています。詳細は、https://www.nibiohn.go.jp/をご参照ください。

以上

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