印刷(PDF/105KB)はこちらから 2022年02月28日 研究開発

進行性前立腺がんを対象とした「ORGOVYX」(レルゴリクス)に対する欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの承認勧告について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるマイオバント・サイエンシズ・リミテッド(ニューヨーク証券取引所上場)は、成人におけるホルモン療法感受性の進行性前立腺がんを対象とした「ORGOVYX®(オルゴビクス)」(販売名、一般名:レルゴリクス、以下「本剤」)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)から承認勧告を受領したことを、2022年2月25日(現地時間)に発表しましたので、お知らせします。

欧州委員会はCHMPの承認勧告を審査し、約2カ月で本剤の販売承認申請に関する最終判断を行う予定です。最終判断は、27の欧州連合加盟国すべてに加えて、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用されます。本剤が承認されれば、欧州においてホルモン療法感受性の進行性前立腺がんを対象とした最初で唯一の経口アンドロゲン除去療法となります。

このたびのCHMPによる承認勧告は、少なくとも1年間の継続的なアンドロゲン除去療法を必要とするアンドロゲン感受性の進行性前立腺がん患者1,000人以上を対象に、リュープロレリン酢酸塩と比較して本剤の安全性と有効性を評価した、ランダム化、オープンラベル、並行群間、国際共同フェーズ3試験(HERO試験)のデータに基づいています。なお、本剤は2020年12月に米国食品医薬品局(FDA)より成人の進行性前立腺がんを適応症として承認され、現在、米国で販売されています。

マイオバント社は、前立腺がんを対象としたレルゴリクスの国際的な販売および開発の権利(北米および一部のアジアを除く)について、複数のパートナー候補との提携交渉を継続しており、進行性前立腺がんを対象としたレルゴリクスの欧州委員会による承認までに、パートナーと合意できるよう取り組んでいます。

マイオバント社のCEOであるDavid Marek(デービッド・マレク)は、次のように述べています。「CHMPの承認勧告は、本剤を進行性前立腺がん患者さんの新しい標準治療として位置づけるための新たな一歩です。進行性前立腺がんの患者さんに革新的な治療法を提供するという当社のミッションをさらに推進していくために、欧州の患者さんや医師に欧州で初めてとなる経口アンドロゲン除去療法を提供できることを期待しています。」

*本件の詳細についてはマイオバント社のプレスリリースをご覧ください。
https://investors.myovant.com/node/9811/pdf

(ご参考)
前立腺がんについて
前立腺がんは欧州連合(EU)における主要な死因であり、2016年には約65,200人の男性が亡くなっています。欧州委員会の統計担当部局であるEurostatによると、前立腺がんによる標準化死亡率は、男性10万人当たり38人です。
進行性の前立腺がんは、最初の治療後に進行または再発する前立腺がんであり、生化学的再発(画像上で転移が認められずに前立腺特異抗原(PSA)が上昇する)、局所進行または転移を伴います。
進行性前立腺がんの治療には、テストステロンを去勢状態(<50ng/dL)まで強力に抑制するアンドロゲン除去療法が選択され、リュープロレリン酢酸塩の徐放性製剤などの黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体アゴニストが現在の標準治療です。一方、LHRH受容体アゴニストは、症状悪化につながる恐れがありフレア現象とも呼ばれている治療初期のテストステロン上昇や薬剤中止後のテストステロン回復の遅延など、薬剤の作用機序に起因する望ましくない現象が示唆されています。

マイオバント社について
マイオバント社は2016年に設立された、女性および男性の疾患に対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企業です。マイオバント社はレルゴリクスについて、がん領域および婦人科領域において5つのフェーズ3試験を成功させ、FDAから進行性前立腺がんおよび子宮筋腫に伴う過多月経を適応症とした2つの承認を取得するとともに、欧州委員会および英国の医薬品・医療製品規制庁から子宮筋腫を適応症とした承認を取得しています。また、マイオバント社は欧州において進行性前立腺がんを対象とした販売承認申請を、米国において子宮内膜症に伴う痛みを対象とした適応追加申請を行い、現在審査中です。EMAのCHMPは、成人におけるホルモン療法感受性の進行性前立腺がんを対象としたORGOVYX®について承認勧告を行い、欧州委員会はCHMPの承認勧告を審査する予定です。さらに、マイオバント社は子宮筋腫または子宮内膜症の女性における避妊効果に関するレルゴリクスのフェーズ3試験や、不妊症に対するフェーズ2a試験を完了したオリゴペプチドキスペプチン1受容体アゴニストであるMVT-602(開発コード)を開発中です。
当社はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に2019 年12 月にマイオバント社を連結子会社化しました。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.com/をご覧ください。

以上

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