印刷(PDF/365KB)はこちらから 2022年07月06日 ライセンス

ビベグロンの過活動膀胱を対象とした欧州における独占的販売ライセンス契約締結のお知らせ

住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるユーロバント・サイエンシズ・リミテッドは、Pierre Fabre Médicament SAS(本社:フランス カストル)と、ビベグロン(一般名、以下「本剤」)の過活動膀胱を対象とした、欧州における承認申請・販売に関する独占的なライセンス契約(以下「本契約」)を締結したことを、2022年7月5日(現地時間)に発表しました。

本契約に基づき、ユーロバント社はPierre Fabre社に対し、欧州経済領域(EEA)、英国、スイスで、独占的に本剤の承認申請および販売を行う権利を許諾します。また、サハラ以南のアフリカにおけるフランス語圏各国、トルコ、一部の東欧諸国を含む地域におけるオプション権を付与します。ユーロバント社は、引き続き米国などで本剤の全ての権利を保有します。
ユーロバント社およびPierre Fabre社は、欧州で小児を対象とした本剤の臨床試験を共同で実施します。また、ユーロバント社は、Pierre Fabre社に本剤の完成品を供給します。

本契約締結の対価として、ユーロバント社はPierre Fabre社より、契約一時金、承認マイルストンおよび販売マイルストンを含め、最大75百万米ドルを受け取る可能性があります。また、本剤の売上収益に応じたロイヤリティを受け取る可能性があります。

ユーロバント社のCEOであるJames Robinson(ジェームズ・ロビンソン)は次のように述べています。「世界的な製薬企業であるPierre Fabre社と提携できることを大変うれしく思います。世界の過活動膀胱および前立腺肥大症市場で実績のある同社は、欧州やその周辺地域で本剤を必要とするより多くの患者さんにお届けするための最適なパートナーであると考えています」

Pierre FabreグループのCEOであるEric Ducournau(エリック・デュクルノー)は、次のように述べています。「ユーロバント社と本契約を締結することができ、大変うれしく思います。私たちは、本剤によって、過活動膀胱を患う欧州の全ての患者さんに、効果的な治療とQOLの向上をもたらすことができると考えています。本提携は、当社が50年にわたり培ってきた泌尿器科疾患と婦人科疾患に関する幅広い専門性と、日常生活に大きな支障をきたす慢性疾患に対して治療法を提供するという当社グループの志を示すものです」

当社は、2023年3月期第2四半期連結業績において、契約一時金を売上収益として計上する予定であり、2023年3月期業績予想には、契約一時金をその他の収益(コア内)として織り込んでいます。

(ご参考)
過活動膀胱(OAB)について
過活動膀胱(OAB)は、膀胱の筋肉が不随意に収縮したときに発生する症状であり、尿意切迫感(制御が困難な突然の排尿衝動)、切迫性尿失禁(尿意切迫感直後の意図しない排尿)、頻尿(通常24時間に8回以上)、夜間頻尿(夜に2回以上起きて排尿する)などの症状を呈します。
米国では約3,300万人がOABの煩わしい症状に苦しんでおり、世界では20歳以上のうち約5億4,600万人がOABに罹患しています。

ユーロバント社について
ユーロバント社は、泌尿器科疾患に対する革新的な治療法の開発・販売に取り組むバイオ医薬品企業です。主力製品であるβ3アドレナリン受容体アゴニストの「GEMTESA®(ジェムテサ)錠75㎎」(販売名、一般名:ビベグロン)は、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症として、2020年12月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、2021年4月に米国で発売されました。ユーロバント社は、前立腺肥大症を伴うOABを対象とした「ジェムテサ」のフェーズ3試験の他に、経口薬物療法が無効のOABを対象とした遺伝子治療であるURO-902(開発コード)を開発しています。
当社はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に2019年12月にユーロバント社を連結子会社化し、2021年3月にスミトバント社によるユーロバント社の完全子会社化を行いました。ユーロバント社に関する詳細については、https://www.urovant.comをご覧ください。

Pierre Fabreグループについて
Pierre Fabreグループは、フランスの南西部カストルに本社を置く、皮膚科学・化粧品の分野で世界第2位、またフランスの製薬企業として2番目の規模の非上場企業グループであり、フランスの薬局で市販される製品市場におけるリーディングカンパニーです。同グループのポートフォリオには、いくつかの医療フランチャイズやグローバルブランドが含まれており、Pierre Fabre Oncology、Pierre Fabre Dermatology、Eau Thermale Avène、Klorane、Ducray、René Furterer、A-Derma、Naturactive、Pierre Fabre Oral Careがあります。
Pierre Fabreグループの2021年の売上収益は25億ユーロであり、その66%が海外での売上です。Pierre Fabreグループの従業員は世界中で約9,500人であり、製品の95%以上をフランスで製造し、約115カ国に供給しています。Pierre Fabreグループは、政府が認めた公益財団であるPierre Fabre Foundationが株式の86%を保有しており、次いで、国際的な従業員持株制度を通じて自社の従業員が保有しています。

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