印刷(PDF/121KB)はこちらから 2009年06月19日 医薬品

深在性真菌症治療剤「アムビゾーム」の効能・効果の追加承認取得について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、深在性真菌症治療剤「アムビゾーム®点滴静注用50mg」について、「ムーコル属」等の適応真菌種の追加、「リーシュマニア症」の効能・効果及び用法・用量の追加承認を6月17日付で取得しましたのでお知らせいたします。

アムビゾーム®は、リポソームの脂質二分子膜中にアムホテリシンBを封入することにより、アムホテリシンBの抗真菌活性を維持したままアムホテリシンBの副作用を軽減した製剤であり、米国のGilead Sciences 社により開発されました。海外では、米国、英国、独、仏など計46ヵ国で販売されています。
日本においては、当社が開発し、2006年6月に「アスペルギルス属、カンジダ属及びクリプトコッカス属による真菌血症、呼吸器真菌症、真菌髄膜炎、播種性真菌症」及び「真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症」の効能・効果で発売しました。

今回、既承認の主要な3種の適応真菌種に加え、既存のアムホテリシンB製剤の適応真菌種である「ムーコル属」、「ヒストプラズマ属」等を追加することで、深在性真菌感染症にこれまで以上に幅広く本剤を適用できることとなりました。なお、「ヒストプラズマ属」等の輸入真菌は今後、海外との交流が増すことにより国内での発症の増加が危惧されています。
また、海外においてアムビゾーム®が効能を取得している「リーシュマニア症」について追加承認を取得しました。なお、リーシュマニア症は、リーシュマニア原虫が原因の、熱帯及び亜熱帯に広く流行している人獣共通感染症であり、日本においては、承認薬がないのが現状です。海外で治療実績のある本剤は治療の手段として極めて重要であると考えています。

アムビゾーム®の効能・効果及び用法・用量の追加承認取得により、従来以上に医療現場におけるニーズに応えることができ、医療に貢献できるものと期待しています。

以上

(ご参考)

「アムビゾーム®」の概要
【販売名】 アムビゾーム®点滴静注用50mg
【一般名】 アムホテリシンB
【効能・効果】 (下線部追加)
  1. 真菌感染症
    アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコッカス属、ムーコル属、アブシジア属、リゾプス属、リゾムーコル属、クラドスポリウム属、クラドヒアロホーラ属、ホンセカエア属、ヒアロホーラ属、エクソフィアラ属、コクシジオイデス属、ヒストプラズマ属及びブラストミセス属による下記感染症 真菌血症、呼吸器真菌症、真菌髄膜炎、播種性真菌症
  2. 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症
  3. リーシュマニア症
【用法・用量】 (追加分のみ記載)
  1. リーシュマニア症
    免疫能の正常な患者には、投与1~5日目の連日、14日目及び21日目にそれぞれ体重1kg当たりアムホテリシンBとして2.5mg(力価)を1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注する。
    免疫不全状態の患者には、投与1~5日目の連日、10日目、17日目、24日目、31日目及び38日目にそれぞれ体重1kg当たりアムホテリシンBとして4.0mg(力価)を1日1回、1~2時間以上かけて点滴静注する。
【製造販売元】 大日本住友製薬株式会社

以上

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