印刷(PDF/179KB)はこちらから 2013年12月20日 医薬品

カルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」の化膿性髄膜炎に対する用法・用量の一部変更承認取得について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、カルバペネム系抗生物質製剤「メロペン®」に関し、国内における化膿性髄膜炎の適応症に対して、成人における1日の通常用量を6g(力価)に変更(小児の場合、1日120mg/kgで、上限を6g(力価)に変更)する一部変更承認を12月20日付けで取得しましたので、お知らせします。

メロペン®は、当社が開発し、国内において1995年9月に発売した注射用のカルバペネム系抗生物質製剤であり、グラム陽性菌・グラム陰性菌による中等症以上の各種感染症に幅広く使用されています。現在、当社と導出先のアストラゼネカ社とあわせて、世界100カ国以上で販売しています。

化膿性髄膜炎は、髄腔中に肺炎球菌やインフルエンザ菌などの細菌が侵入して発症する重症感染症です。抗菌薬治療の発達した現代においても、発症した際の致死率は高く、また救命できても重篤な後遺症を残すことがあり、原因菌の検出を含めた迅速な診断と適切な治療の早期開始が極めて重要であるとされています。

これまで、本疾患を含む一般感染症の重症・難治例に対するメロペン®の国内承認用量上限は1日3g(力価)であり、本疾患に対する海外での承認用量、および国内外のガイドラインでの推奨用量である1日6g(力価)との間に乖離がありました。
当社は、本疾患に対して更に高い臨床効果および細菌学的効果が期待できる1日6g(力価)投与が患者さんにとってより有用であると考え、国内において用量拡大の臨床試験を実施し、2013年1月に用法・用量の一部変更承認申請を行い、このたび承認を取得しました。

当社は、本疾患に対してメロペン®の1日6g(力価)投与が可能となったことにより、本疾患の救命率向上に資する新たな治療選択肢を提供すると共に、国内の感染症治療に一層貢献できることを期待しています。

以上

(ご参考)

「メロペン®」の概要

【販売名】 メロペン®点滴用バイアル0.25g
メロペン®点滴用バイアル0.5g
メロペン®点滴用キット0.5g
【一般名】 メロペネム水和物
【効能・効果】

1.一般感染症
〈適応菌種〉
メロペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、髄膜炎菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、バクテロイデス属、プレボテラ属
〈適応症〉
敗血症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、骨髄炎、関節炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎

2.発熱性好中球減少症

【用法・用量】 (取り消し線部削除、下線部追記変更)
本剤の使用に際しては、投与開始後 3 日を目安としてさらに継続投与が必要か判定し、投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。
さらに、本剤の投与期間は、原則として 14 日以内とすること。

1.一般感染症
◯化膿性髄膜炎以外の一般感染症
通常、成人にはメロペネムとして、1日0.5~1g(力価)を2~3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回1g(力価)を上限として、 1日3g(力価)まで増量することができる。
通常、小児にはメロペネムとして、1日30~60mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1日120mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし、成人における1日最大用量3g(力価)を超えないこととする。
○化膿性髄膜炎
通常、成人にはメロペネムとして、1日6g(力価)を3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜減量する。
通常、小児にはメロペネムとして、1日120mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜減量する。ただし、成人における1日用量6g(力価)を超えないこととする。

2.発熱性好中球減少症
(変更がないので、記載を省略しています)

【製造販売元】 大日本住友製薬株式会社

以上

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