印刷(PDF/195KB)はこちらから 2014年07月14日 医薬品

抗てんかん剤「APTIOM」のカナダでの承認取得について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、当社の米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ・インクの子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・カナダ・インクが、18歳以上の部分てんかん発作の併用療法を対象としてカナダで承認申請していた、1日1回投与の抗てんかん剤「APTIOM™」(アプティオム、一般名:eslicarbazepine acetate)について、このほどカナダ保健省(Health Canada)より承認を取得したことを発表しましたので、お知らせします。
カナダにおける承認申請は、2013年9月に受理され、カナダ保健省の審査が行われていました。

てんかんは、最も一般的な神経疾患の一つです。NPO法人の「Epilepsy Canada」によると、カナダでは毎年約15,500人がてんかんに罹患しており、その有病率は人口の0.6%に及んでいます。
部分てんかん発作は、てんかん発作のうち最も多いタイプであり、新たにてんかんと診断された患者さんの60%に上ると言われています。また、てんかん患者さんの約3分の1は、十分に発作をコントロールできていません。

APTIOM™の承認は、3つの第Ⅲ相臨床試験(BIA-2093-301試験、BIA-2093-302試験、BIA-2093-304試験)に基づいています。これらの試験は、1~3種類の抗てんかん剤(カルバマゼピン、ラモトリギン、バルプロ酸、レベチラセタム)で十分にコントロールできていない部分てんかん発作の患者さん1,400人以上が参加した、プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験です。これらのグローバル試験において、APTIOM™投与群は、プラセボ投与群と比較して、統計学的に有意な発作頻度減少が認められ、またベースラインから50%以上の発作頻度減少が有意に多く認められた患者さんは、APTIOM™投与群では41%、プラセボ投与群では22%でした。
APTIOM™投与群において最も多く見られた有害事象は、めまい、眠気、頭痛、嘔気、複視、嘔吐、疲労、運動失調、視力障害でした。

サノビオン・ファーマシューティカルズ・カナダ・インクのPresidentであるDouglas Reynolds(ダグラス・レイノルズ)は次のように述べています。「このたびの承認取得は、当社だけでなく、てんかんで苦しむカナダの患者さんにとって重要なマイルストンとなります。てんかんは、いまだ多くの患者さんの症状が適切にコントロールされておらず、アンメット・メディカル・ニーズがあります。当社はこのニーズに対応する治療選択肢を提供することに尽力します。」

なお、米国においては、サノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが「APTIOM®」として、2014年4月7日に販売を開始しています。

以上

(ご参考)

【部分てんかん発作について】

てんかんは、脳内の神経細胞からの電気刺激の異常放電を伴う再発性の発作による慢性的な神経障害を特徴としています。部分てんかん発作の場合、これらの電気的活動による異常放電は、脳の特定の領域から始まりますが、広範囲に広がる可能性があり、異常部位によって様々な症状を呈します。

【APTIOM™ (eslicarbazepine acetate)について】

APTIOM™は、電位依存性のナトリウムチャネル阻害薬であり、部分てんかん発作の併用療法を適応症として承認されました。
APTIOM™は1日1回400mg投与から開始し、1週間後に1日1回800mgの推奨維持用量まで増量します。症状によって、最大推奨維持用量の1,200mgまで増量することができます。
本剤は、ポルトガルの株式非公開の製薬企業であるBIAL-Portela & Ca, S.A.(以下、「Bial社」)が研究開発しました。その後、サノビオン・ファーマシューティカルズ・インクは、米国およびカナダにおける本剤の開発・販売権をBial社より取得し、2013年11月8日、部分てんかん発作の併用療法を適応症として、米国食品医薬品局(FDA)より本剤の承認を取得しました。
また、本剤は、欧州において、「成人の部分てんかん(二次性全般化を含む)における併用療法」を効能・効果として、2009年4月21日に、欧州委員会(European Commission)より承認され、現在、Bial社およびライセンシーであるエーザイ株式会社の欧州子会社によって、「Zebinix®」という商品名で販売されています。

以上

報道関係者の皆さまからのお問い合わせ