印刷(PDF/246KB)はこちらから 2014年08月22日 医薬品

非定型抗精神病薬「LATUDA」の英国における新発売のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、当社の米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ・インクの子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ・リミテッドが、成人の統合失調症を適応症とした、1日1回経口投与の非定型抗精神病薬「LATUDA®」(一般名:ルラシドン塩酸塩、以下「ラツーダ」)を、8月4日(現地時間)に英国において発売しましたので、お知らせします。

統合失調症は、英国において約63万人が罹患する深刻で慢性的な精神疾患です。統合失調症の主な症状には、陽性症状(妄想、幻覚、現実歪曲など)および陰性症状(感情鈍麻、社会的引きこもり、意欲の低下など)があり、また、統合失調症は、平均余命を10~22.5年短縮すると言われています。統合失調症の患者さんの主な死因は心血管疾患であり、死因に占める心血管疾患の割合は、一般人に比べ25%高いという報告があります。

South London & Maudsley NHS Foundation Trust(サウスロンドン&モーズレー国民保健サービス財団)のDirector of Pharmacy and Pathology(薬学病理学のディレクター)であるDavid Taylor(デイビッド・テーラー)教授は、次のように述べています。「英国においてラツーダを使用できることは、統合失調症の患者さんや医療従事者にとって喜ばしいことです。統合失調症の治療においては、有効性と忍容性の適切なバランスが取れた薬剤を選択すること、服薬アドヒアランスを改善することが重要であり、最終的には再発を回避する必要があります。ラツーダは、成人の統合失調症の患者さんにとって、有効性と良好な忍容性が期待できる新たな治療選択肢となります。」

サノビオン・ファーマシューティカルズ・インクのExecutive Vice President and Chief Commercial OfficerであるRichard Russell(リチャード・ラッセル)は、次のように述べています。「有効性と忍容性の双方を備えた治療薬が求められています。このたび、英国の統合失調症の患者さんおよび医療従事者のために、新たな治療選択肢として、ラツーダを提供できることを嬉しく思います。」

ラツーダは、6週間および12か月間投与の臨床試験により、統合失調症の陽性症状および陰性症状の治療に有効であることが示されました。また、ラツーダはプラセボとの比較において、投与4日目という早い段階から有意な症状改善を示しました。
臨床試験において、ラツーダ投与群(37mg/日および111mg/日)は、オランザピン投与群(15mg/日)と同様に短期での症状改善が示されました。また、12か月間投与試験では、ラツーダ投与群(37-148mg/日)は、クエチアピンXR投与群(200-800mg/日)に対して、主要評価項目である精神症状再発までの時間において、非劣性が確認されました。
6週間および12か月間投与の臨床試験で認められたラツーダの主な副作用は、不眠、眠気、落ち着きのなさ、アカシジア、移動困難、動作緩慢、筋硬直、振戦、体重増加、吐き気でした。

ラツーダは、成人の統合失調症の臨床試験において、良好な安全性、忍容性および代謝プロファイルが示されています。6週間および12か月間投与試験において、ラツーダ投与群では、代謝系への影響が限定的であることが示されました。さらに、6週間投与試験において、他の抗精神病薬からラツーダへの切り替えにより、ラツーダ投与群では、体重の有意な増加は認められませんでした。

当社は、サノビオン・ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ・リミテッドをラツーダの販売に特化させるため、組織を再編成するとともに、2014年7月1日より当社の100%子会社から米国子会社のサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクの100%子会社に変更しました。これにより、米国で培ってきた販売戦略を英国でも展開し、ヨーロッパにおける初の自社販売製品となるグローバル戦略品ラツーダの最大化を目指します。

なお、ラツーダの欧州での販売許可取得については、2014年3月31日のプレスリリースにてお知らせしています。

以上

(ご参考)

【サノビオン・ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ・リミテッドの概要】

(1)会社名:  Sunovion Pharmaceuticals Europe Ltd.
(サノビオン・ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ・リミテッド)
(2)代表者:  野口 直記(Vice President, Commercial Operations)
(3)所在地:  Southside, 97-105, Victoria Street, London SW1E 6QT, UK
(4)設立:  1997年5月
(5)資本金:  150,000ポンド
(6)株主構成:  サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク 100%

【ルラシドンについて】

ルラシドンは、大日本住友製薬が創製した独自な化学構造を有する非定型抗精神病薬であり、ドーパミン-2、セロトニン-2A、セロトニン-7 受容体に親和性を示し、アンタゴニストとして作用します。セロトニン-1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用します。また、ヒスタミンとムスカリン受容体に対してはほとんど親和性を示しません。
ルラシドンは、2010年10月に米国、2012年6月にカナダ、2013年8月にスイス、2014年3月にオーストラリアにおいて、成人の統合失調症に対する適応症の承認を取得しました。大日本住友製薬の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが、2011年2月より米国で、また同社のカナダ子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・カナダ・インクが2012年9月よりカナダにおいて、スイスにおいては武田薬品工業株式会社の100%出資子会社である武田ファルマAG(スイス)が2013年9月に、「LATUDA®」として発売しています。日本においては、大日本住友製薬が統合失調症に対する承認取得を目指して第Ⅲ相臨床試験を実施しています。

以上

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