印刷(PDF/190KB)はこちらから 2014年08月29日 医薬品
経口血糖降下剤「メトグルコ錠」の2型糖尿病における小児の用法・用量の追加に関する承認取得について
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、経口血糖降下剤「メトグルコ®錠250mg/500mg」(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、2014年8月29日付けで2型糖尿病における小児の用法・用量を追加する一部変更承認を取得しましたので、お知らせします。
2型糖尿病におけるメトグルコ®の小児に対する用法・用量の追加は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議※1」における検討結果を受けて、2010年に厚生労働省から当社に対し、開発要請がなされました。当社はこの要請を受け、メトグルコ®の小児に対する用法・用量を追加取得するための臨床試験を実施し、2013年10月に承認申請を行いました。
日本の小児2型糖尿病患者数は、約1,000人※2と推計されています。その発症のピークは10~14歳であるといわれており、小児・成長期に発症した2型糖尿病患者が30~40歳代で重症合併症を併発しやすいことが大きな問題となっています。一方、日本国内における経口血糖降下剤の小児適応は、従来スルホニルウレア剤(SU剤)のグリメピリドのみに限定されていました。
導入元のメトホルミン製剤(Glucophage®)は、2000年に米国、2004年に欧州において10歳以上の小児患者への適応が承認されており、現在、欧米を含む50ヵ国以上で小児患者への適応が承認され、市販後の豊富な使用実績があります。今回、メトグルコ®の小児に対する用法・用量を追加することにより、日本における小児2型糖尿病患者さんの血糖コントロールを改善し、重症合併症の発症抑制に貢献できるものと期待しています。
※1:「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、欧米では使用が認められていますが、国内では承認されていない医薬品や適応について、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促進することを目的として設置された会議です。厚生労働省が主催し、医学的・薬学的な学識経験者で構成されています。
※2:「小児慢性特定疾患の登録・管理・解析・情報提供に関する研究」(平成24年度厚生労働科学研究)において、1,112人の患者さんが登録されています。
以上
(ご参考)
「メトグルコ®」の概要
当社は、2003年にメルクサンテ社(現メルクセローノ社:メルク社の医療用医薬品部門、本社:ドイツ、ダルムシュタット)から、世界100ヵ国以上で承認され豊富な臨床及び非臨床のエビデンスを有する「Glucophage®」を導入しました。国内での臨床試験を実施した後、2010年に成人に対する承認を取得し、メトグルコ®として国内で発売を開始しました。メトグルコ®は、肝臓における糖新生抑制作用、末梢組織における糖取り込み促進作用、小腸における糖吸収抑制作用等を介して血糖降下作用を示すビグアナイド系経口血糖降下剤です。メトホルミン製剤は2型糖尿病の第一選択薬として幅広く用いられています。
【販売名】 | メトグルコ®錠250mg/500mg |
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【一般名】 | メトホルミン塩酸塩(metformin hydrochloride) |
【剤形・含量】 | 白色~帯黄白色の割線入りのフィルムコート錠、 1錠中、メトホルミン塩酸塩250mgまたは500mg含む錠剤 |
【効能・効果】 | 2型糖尿病 ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。 (1) 食事療法・運動療法のみ (2) 食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用 |
【用法・用量】 | (下線部追加) 通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750~1,500mg とする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,250mgまでとする。 通常、10歳以上の小児にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日500~1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,000mgまでとする。 |
【製造販売元】 | 大日本住友製薬株式会社 |
以上
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