印刷(PDF/191KB)はこちらから 2017年04月04日 医薬品
米国における慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤「UTIBRON NEOHALER」新発売のお知らせ
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、4 月 3 日(米国時間)、米国において、慢性気管支炎・肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)による気道閉塞性障害の長期維持療法に用いられるドライパウダー吸入製剤「UTIBRON™ NEOHALER®」(一般名:インダカテロールマレイン酸塩/グリコピロニウム臭化物、以下「UTIBRON」)を発売しましたので、お知らせします。UTIBRON は、COPD 患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに対応する新しい配合剤です。
UTIBRON は、1 日 2 回吸入の、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)と長時間作用性 β 作動薬(LABA)の配合剤です。サノビオン社は、2016 年 12 月 21 日(米国時間)にノバルティス社(本社:スイスバーゼル市)との間で、UTIBRON のほか、「Seebri™ Neohaler®」および「Arcapta® Neohaler®」についての米国における独占的な販売権に関するライセンス契約*を締結しました。ノバルティス社は、2015 年 10 月に、米国食品医薬品局(FDA)より UTIBRON の承認を取得しています。
サノビオン社の Executive Vice President and Chief Commercial Officer である David Frawley(デイビッド・フローリー)は、次のように述べています。「当社は、気管支拡張剤 2 成分の新たな配合剤である定量式吸入製剤 UTIBRON を米国の何百万人もの COPD 患者さんに提供することができ、嬉しく思います。当社は、COPD 患者さんへのコミットメントの一環として、さまざまなステージの COPD 患者さんのための治療選択肢として、ネブライザー製剤や定量式吸入製剤を含む幅広い製品ラインナップを構築しています。」
UTIBRON は臨床試験において、本剤の各有効成分(インダカテロールマレイン酸塩 27.5μg、グリコピロニウム臭化物 15.6μg)およびプラセボに対して、呼吸機能を有意に改善しました。2 本の 12 週間投与のフェーズ 3 試験において、UTIBRON は、努力呼気 1 秒量(FEV1)に基づき評価される呼吸機能のベースラインからの変化量を、朝の投与後 4 時間以内に、それぞれ最大 290ml および 260ml 改善しました。 この 2本のピボタル試験において、薬効発現の定義とした FEV1 を 100ml 改善するまでの中央値は、初回投与後12 分および 16 分であり、本薬効は、12 時間ごとの投与間隔中においても持続しました。また、UTIBRONは、St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)合計スコアに基づき評価される全般的 QOL、COPD に対するレスキュー薬使用の回数、Transitional Dyspnea Index(TDI)合計スコアに基づき評価される息切れにおいて、プラセボに比べて改善を示しました。臨床試験における UTIBRON の安全性プロファイルは、本剤に含有されるそれぞれの単剤およびプラセボと同様であり、最もよく観察された副作用(2%以上かつプラセボより高い発生率)は、咽頭痛および血圧上昇でした。
Pulmonary Research Institute of Southeast Michigan, Livonia, Michigan(米国ミシガン州リボニアの南東ミシガン肺研究所)の Gary Ferguson(ゲイリー・ファーガソン)医師は、次のように述べています。「UTIBRONは、症状を持つ多くの COPD 患者に対する維持療法として LAMA と LABA の併用を重視するという、最新の世界的なCOPDの治療方針に則しています。また、投与デバイスのNEOHALERは、薬の残量が見えるため、服薬量を確認することができます。服薬量を確認できる機能は、患者さんや医療関係者にとって有用な機能になります。」
サノビオン社は、2017 年度に、Seebri™ Neohaler®の発売および Arcapta® Neohaler®のプロモーション開始を予定しています。なお、Seebri™ Neohaler®は2015年にFDAに承認されており、Arcapta® Neohaler®は2012年に発売されています。
*本ライセンス契約の締結については、2016 年 12 月 22 日に「慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤 3 製品の米国におけるライセンス契約の締結について」にて公表しています。
以上
(ご参考)
【LAMA および LABA について】
長時間作用性の気管支拡張剤は、COPD患者さんに対する標準的な維持療法の第一選択となっており、長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)および長時間作用性β作動薬(LABA)は、幅広くCOPD治療に用いられている重要な薬剤です。LAMA および LABAは、気管支を拡張させることにより、喘鳴を伴う咳、胸の圧迫感および息切れなどの症状を軽減します。作用機序の異なる LAMAとLABAを併用することにより、各単剤に比べて効果の増強等の付加的なメリットが期待できるため、重症患者さんに対する治療にはLAMA と LABA が頻繁に併用されています。
【COPD について】
COPD は、有害粒子・ガスによる気道・肺胞異常に起因する持続性の呼吸器症状や気流制限を特徴とする、予防・治療ができる一般的な疾患です。COPD の主要な危険因子は喫煙ですが、他の環境的な因子も関与することが推測されています。米国においては約 1,570 万人の成人が COPD と診断されています。また、COPD と診断されていない成人の COPD 患者さんも数百万人に上ると考えられています。年間 12 万人を超える方が COPD によって亡くなっており、米国における死因の第 3 位となっています。COPD はゆっくり進行し、症状は徐々に悪化することが多く、日常生活に支障を来す可能性があります。COPD の症状には、咳、喘鳴、息切れ、過剰な粘液の産生、深呼吸ができない、息苦しさがあります。特に早朝と夜間の症状の重症度が高く、早朝の症状は日中の活動を妨げ、健康状態や病状の悪化に関連している恐れがあります。また夜間の症状は、睡眠を妨げ、睡眠の質を低下させ、長期的には心血管系疾患、認知機能、うつなどの悪化や、死亡率の上昇につながる恐れがあります。
【UTIBRON™ NEOHALER®について】
「UTIBRON™ NEOHALER®」は、LABA(インダカテロールマレイン酸塩)および LAMA(グリコピロニウム臭化物)を配合する 1日2回吸入のドライパウダー吸入製剤であり、慢性気管支炎および肺気腫を含むCOPDによる気道閉塞性障害に対する長期維持療法を適応症として米国において承認されています。フェーズ 3試験において、UTIBRON は、各単剤に比べ、LABA および LAMA が配合される付加的なメリットを示し、さらに、St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)合計スコアに基づき評価される全般的 QOL、COPD に対するレスキュー薬使用の回数、Transitional Dyspnea Index(TDI)合計スコアに基づき評価される息切れにおいて、プラセボに比べて改善を示しました。
以上
報道関係者の皆さまからのお問い合わせ