印刷(PDF/183KB)はこちらから 2018年04月04日 医薬品

米国における慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤 Lonhala Magnair(グリコピロニウム臭化物)新発売のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、2018年4月3日(米国東部時間)、米国において、慢性気管支炎・肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)による閉塞性換気障害の長期維持療法に用いられるLonhala™ Magnair™(ロンハラ マグネア)(販売名、一般名:グリコピロニウム臭化物、以下「本剤」)を発売しましたので、お知らせします。

本剤は、COPDを対象とした米国初のネブライザーを用いて投与する長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)であり、PARI Pharma GmbH(本社:ドイツ)によって開発された「eFlow®」技術を適用したネブライザーシステムである「MAGNAIR Nebulizer System」(以下「マグネア」)によって吸入投与されます。マグネアは、2分から3分で薬剤を送達するよう設計された、携帯できる大変静かな閉鎖型のネブライザーシステムであり、患者さんは普通に呼吸しながらデバイスを使用することができます。
本剤は、米国食品医薬品局(FDA)から、2017年12月に承認されました(2017年12月6日に開示済)。

サノビオン社のExecutive Vice President and Chief Commercial Officerである David Frawley(デイビッド・フローリー)は、次のように述べています。「当社は米国のCOPD患者さんの治療選択肢として、ロンハラ マグネアを発売しました。COPDは、何百万人もの米国人が患う深刻な進行性の呼吸器疾患であり、本剤の上市は、症状管理のために特にネブライザー製剤を求めるCOPD患者さんに新たな治療選択肢を提供するというサノビオン社のコミットメントを表しています。」

本剤は、臨床試験において、プラセボに対し、臨床的に重要な指標である投与12週間後における努力呼気1秒量(FEV1)のトラフ値のベースラインからの変化量を統計学的に有意に改善しました。また本剤は、総じて良好な忍容性を示し、最も観察された副作用は、呼吸困難と尿路感染症です。

Pulmonary Research Institute of Southeast Michigan, Farmington Hills, Michigan(米国ミシガン州ファーミントンヒルズの南東ミシガン肺研究所)のGary Ferguson(ゲイリー・ファーガソン)医師は、次のように述べています。「様々なCOPD治療薬を使用できるにもかかわらず、いまだに多くの方々がCOPDのコントロールに苦慮している理由の一つは、服用時の薬剤の送達方法が関係しているかもしれません。ネブライザーは、吸入時に普通に呼吸できるために、中等症から重症のCOPD患者さんにとって望ましい薬剤送達方法であり、特に、定量式吸入製剤の使用が難しい患者さんに適しています。本剤は、2分から3分で薬剤を送達し、携帯できる大変静かなデバイスとして設計されたネブライザーによって投与される長時間作用型の気管支拡張剤です。」

サノビオン社は、米国の1,570万人のCOPD患者さんの重篤な呼吸器症状を改善する、COPDの幅広い症状に適した治療オプションを提供することに注力しており、医療提供者や患者さんの個々の治療ニーズに応じた定量式吸入製剤やネブライザー製剤を提供します。サノビオン社の承認を受けたCOPD治療剤の製品ラインナップには、ロンハラ マグネア、ウチブロン ネオヘイラー、シーブリ ネオヘイラー、アルカプタ ネオヘイラーおよびブロバナがあります。

以上

(ご参考)

【Lonhala™ Magnair™(ロンハラ マグネア)について】

本剤は、PARI Pharma GmbHによって開発された「eFlow®」技術を適用したネブライザーシステムである「MAGNAIR Nebulizer System」によって吸入投与される、グリコピロニウム臭化物を有効成分とする米国初のLAMAの気管支拡張剤です。マグネアは、2分から3分で薬剤を送達するよう設計された、携帯できる大変静かな閉鎖型のネブライザーシステムであり、患者さんがデバイスを使用している間、普通に呼吸することができます。本剤は、米国において、慢性気管支炎・肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)による閉塞性換気障害の長期維持療法として承認されています。

【LAMAについて】

LAMAは、長時間作用性β2作動薬(LABA)と同様に、長時間作用性の気管支拡張剤の一つです。GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)のレポートによれば、これらは現在、COPD患者さんの維持療法のファーストラインの標準薬であり、喘鳴、咳、胸の圧迫感および息切れなどの症状を防ぐために、肺の気道周辺の筋肉を緩めます。LAMAは、幅広く用いられており、COPD患者さんにとって重要な薬剤です。

【COPDについて】

COPDは、有毒粒子・ガスによる気道・肺の異常に起因する持続性の呼吸器症状や気流閉塞を特徴とする、予防・治療ができる一般的な疾患です。COPDの主要な危険因子は喫煙ですが、他の環境的な因子も関与することが推測されています。米国においては約1,570万人の成人がCOPDと診断されています。また、COPDと診断されていない成人のCOPD患者さんも数百万人に上ると考えられています。年間12万人を超える方がCOPDによって亡くなっており、米国における死因の第3位となっています。COPDはゆっくり進行し、症状は徐々に悪化することが多く、日常生活に支障を来す可能性があります。COPDの症状には、咳、喘鳴、息切れ、肺での過剰な粘液の産生、深呼吸ができない、息苦しさがあります。特に早朝と夜間の症状の重症度が高く、早朝の症状は日中の活動を妨げ、健康状態や病状の悪化に関連している恐れがあります。また夜間の症状は、睡眠を妨げ、睡眠の質を低下させ、長期的には心血管系疾患、認知機能、うつなどの悪化や、死亡率の上昇につながる恐れがあります。

以上

報道関係者の皆さまからのお問い合わせ