印刷(PDF/163KB)はこちらから 2020年06月04日 医薬品

非定型抗精神病薬「ラツーダ錠」の国内における新発売のお知らせ

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症として、非定型抗精神病薬「ラツーダ®錠20mg、40mg、60mg、80mg」(一般名:ルラシドン塩酸塩、以下「本剤」)を、国内において6月11日付けで発売しますので、お知らせします。

本剤は、当社が創製した独自の化学構造を有する非定型抗精神病薬で、 ドパミンD2、セロトニン 5-HT2A、セロトニン5-HT7受容体にアンタゴニストとして作用するほか、セロトニン5-HT1A受容体にはパーシャルアゴニストとして作用し、ヒスタミンH1およびムスカリンM1受容体に対してはほとんど親和性を示しません。この受容体プロファイルから、統合失調症における陽性症状や陰性症状をはじめとする各種精神症状や双極性障害のうつ症状への優れた改善効果に加えて、高い忍容性が期待でき、両疾患治療の第一選択薬のひとつになり得ると考えられます。

本剤は海外において、2020年5月現在、統合失調症の治療薬として欧米を含む47の国と地域で承認されており、双極Ⅰ型障害のうつ症状の治療薬としては米国を含む7つの国と地域で承認されています。また本剤は、海外の最新治療ガイドラインで、統合失調症に対して体重増加、糖代謝異常などの代謝系副作用が少ないなどの忍容性や治療継続の観点から推奨され、双極性障害におけるうつ症状では第一選択薬のひとつとして推奨されています。

当社は、本剤の発売により、統合失調症および双極性障害におけるうつ症状の新たな治療選択肢を提供することで両疾患の治療の発展に貢献し、患者さんとそのご家族がより健やかに自分らしく過ごせる日々を実現することに寄与したいと考えています。

(ご参考)

1.「ラツーダ®錠」の概要

【販売名】 ラツーダ®錠20㎎、ラツーダ®錠40㎎、ラツーダ®錠60㎎、ラツーダ®錠80㎎
【一般名】 ルラシドン塩酸塩
【規格・含量】 ラツーダ®錠20㎎: 1錠中ルラシドン塩酸塩20 mg
ラツーダ®錠40㎎: 1錠中ルラシドン塩酸塩40 mg
ラツーダ®錠60㎎: 1錠中ルラシドン塩酸塩60 mg
ラツーダ®錠80㎎: 1錠中ルラシドン塩酸塩80 mg
【効能・効果】 統合失調症、双極性障害におけるうつ症状の改善
【用法・用量】 <統合失調症>
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として40mgを1日1回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は80mgを超えないこと。
  <双極性障害におけるうつ症状の改善>
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として20~60mgを1日1回食後経口投与する。
なお、開始用量は20mg、増量幅は1日量として20mgとし、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は60mgを超えないこと。
【製造販売元】 大日本住友製薬株式会社
【承認日】 2020年3月25日
【薬価収載日】 2020年5月20日
【薬価】 ラツーダ®錠20㎎:1錠178円70銭
ラツーダ®錠40㎎:1錠328円90銭
ラツーダ®錠60㎎:1錠469円90銭
ラツーダ®錠80㎎:1錠493円40銭
【包装】 ラツーダ®錠20㎎:100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[瓶、バラ]
ラツーダ®錠40㎎:100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠[瓶、バラ]
ラツーダ®錠40㎎:100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠[瓶、バラ]
ラツーダ®錠80㎎:100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠[瓶、バラ]

2.ラツーダ®について

ラツーダ®は、統合失調症患者を対象とした国際共同フェーズ3 試験(PASTEL 試験、JEWEL 試験)および継続長期試験(JEWEL 継続試験)、双極I 型障害うつ患者を対象とした国際共同フェーズ3 試験(ELEVATE 試験)等の結果により有効性および安全性が確認され、2020年3月に国内で承認されました。各試験結果の詳細は2020年3月25日付けのプレスリリース「非定型抗精神病薬「ラツーダ®錠」の製造販売承認取得について」(https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20200325-1.html)をご参照ください。

3. 統合失調症について

日本では約80万人が罹患しており、再発率が高い慢性疾患です。幻覚、妄想、思考障害などの陽性症状、感情の平板化、社会的引きこもり、自発性低下などの陰性症状に加え、記憶力、注意力、実行能力の低下などの認知機能障害や不安・抑うつなど、経過とともに多様な症状が認められ生活や就業就学が困難になると言われています。治療の基本となる薬物治療において中心的役割を担う非定型抗精神病薬では、多様な精神症状に対する効果の未充足や体重増加や糖代謝および脂質代謝異常といった代謝系副作用の発現など、治療上の課題は残されています。

4. 双極性障害におけるうつ症状について

日本では約22万人が罹患しているとされており、躁状態とうつ状態を繰り返す慢性的で深刻な疾患です。多くの患者さんは躁状態よりもうつ状態を呈する期間が長いことが知られており、うつ状態を繰り返す回数が多いと社会生活や家族生活を営む上で大きな障害になります。薬物療法が治療の基本となるものの、有効な治療法が多くある躁症状と比べ、うつ症状に対する治療選択肢が限られていることが現在の双極性障害治療の課題とされています。

以上

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