印刷(PDF/118KB)はこちらから 2021年05月27日 医薬品

米国初の1 日1 回投与である子宮筋腫治療剤「MYFEMBREE」の米国における承認取得について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるマイオバント・サイエンシズ・リミテッド(ニューヨーク証券取引所上場)とPfizer Inc.(ニューヨーク証券取引所上場)は、このたび、「MYFEMBREE®(マイフェンブリー)」(販売名、レルゴリクス40mg、エストラジオール1.0mg、酢酸ノルエチンドロン0.5mgの配合剤)について、米国食品医薬品局(FDA)より、閉経前の女性の子宮筋腫に伴う過多月経(投与期間は最大24カ月)を適応症とした米国で初めての1日1回投与の治療剤として承認を取得したことを、2021年5月26日(現地時間)に発表しましたので、お知らせします。

このたびの承認は、New England Journal of Medicineに掲載された本剤のフェーズ3試験(LIBERTY1およびLIBERTY 2試験)における有効性および安全性に関するデータに基づいています。マイオバント社とPfizer社は、2020年12月に締結したレルゴリクスに関するがん領域および婦人科領域における北米での開発・販売提携に基づき、米国での本剤の販売活動を共同で行う予定であり、本剤は2021年6月に発売される予定です。

本剤のLIBERTY1およびLIBERTY 2試験の結果、両試験の主要評価項目(投与24週後の経血量が80mL未満かつ投与期間中の最終35日間の経血量がベースラインから50%以上減少した患者の割合)において、プラセボ群は16.8%および14.7%であったのに対し、本剤投与群は72.1%および71.2%とそれぞれ有意な改善(両試験共にp<0.0001)を示し、本剤投与群の経血量は、ベースラインから82.0%および84.3%とそれぞれ減少しました(両試験共に対プラセボ群p<0.0001)。本剤投与群において3%以上発現し、またプラセボより高い発現率であった有害事象は、ホットフラッシュ、不正子宮出血、脱毛症および性欲減退でした。また、本剤投与群で妊娠は報告されませんでした。

University of Chicago(シカゴ大学)の産婦人科の教授であり、LIBERTY プログラムの運営委員会のメンバーであるAyman Al-Hendy(アイマン・アルヘンディ)医師は、次のように述べています。「本剤の1日1回1錠の投与により、過多月経を呈する子宮筋腫の女性に対して臨床的に意義のある症状の緩和を非侵襲的にもたらすことができるようになります。FDAによる本剤の承認は、米国の多くの女性にとって慢性的で衰弱性の疾患である子宮筋腫の治療選択肢を拡大する上で重要なマイルストンです。」

マイオバント社のCEOであるDavid Marek(デービッド・マレク)は、次のように述べています。「子宮筋腫は、米国の何百万人もの女性に影響を及ぼし、毎年25万件以上の子宮摘出術が行われており、過多月経は最も煩わしい症状の1つです。本剤の承認により、当社は1年以内にFDAから2つの製品の承認を取得したことになります。これは、当社が新薬の提供だけではなく地域社会との継続的な協力を通じ、女性および男性疾患の治療に貢献していく上で重要な一歩です。」

Pfizer社のGlobal President, Internal MedicineであるNick Lagunowich (ニック・ラグノウィッチ)は、次のように述べています。「本剤の承認は、子宮筋腫を患う女性をサポートするというマイオバント社と当社の共通のコミットメントに対する取り組みの証です。この新しい1日1回経口投与の錠剤という利便性を有した治療選択肢を提供することにより、切に必要とされている症状の緩和に貢献していきます。」

*本件の詳細についてはマイオバント社のプレスリリースをご覧ください。
https://investors.myovant.com/static-files/c69689d0-91bb-4086-9637-71e11968bf8c

(ご参考)
子宮筋腫について
子宮筋腫は、子宮の筋肉の中または子宮の表面に発生する非がん性腫瘍であり、女性にみられる最も一般的な生殖器系腫瘍の1つです。個人の遺伝的素因に加えて、エストロゲンが筋腫の増大に大きく影響していることが知られています。子宮筋腫は良性腫瘍ですが、過多月経(貧血や疲労をしばしば引き起こす)、痛み(月経痛、腹痛、痛みを伴う性交、腰痛を含む)、腹囲の増加、腹部膨満感、頻尿、尿閉、便秘、妊娠喪失などの衰弱させる症状を引き起こす可能性があり、場合によっては不妊の原因にもなり得ます。これらの症状は、労働生産性の低下や日常生活における活動制限につながっています。米国では500万人の女性が子宮筋腫の症状に苦しみ、300万人の女性が現在の医療では不十分な治療を受けていると推定されており、さらなる治療が必要とされています。

MYFEMBREE®(マイフェンブリー)について
本剤は、卵巣で産生されるエストロゲン(およびその他のホルモン)の量を減少させるレルゴリクス、骨密度減少のリスクを減少させる可能性があるエストラジオール(エストロゲン)および子宮を持つ女性にエストロゲンを投与する時に必要な酢酸ノルエチンドロン(プロゲスチン)が配合されています。本剤は、FDAによって承認された閉経前の女性の子宮筋腫に伴う過多月経を適応症とする米国で初めての1日1回投与の治療剤であり、投与期間は最大24カ月です。

マイオバント社について
マイオバント社は2016年に設立された、女性および男性の疾患に対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企業であり、FDAから2製品の承認を取得しています。
「ORGOVYX」(一般名:レルゴリクス)は、進行性前立腺がんを適応症として2020年に承認された米国で初めてかつ唯一の経口GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体アンタゴニストであり、現在、欧州でも同疾患を対象とした新薬承認申請が審査中です。「マイフェンブリー」は、閉経前の女性の子宮筋腫に伴う過多月経を適応症として2021年に承認された米国で初めての1日1回投与の治療剤です。レルゴリクス配合剤(レルゴリクス40mg、エストラジオール1.0mg、酢酸ノルエチンドロン0.5mg)については、子宮筋腫を対象とした新薬承認申請が欧州において審査中であり、子宮内膜症については新薬承認申請のためのフェーズ3試験を完了しています。また、妊娠の恐れがある18〜35 歳の健康な女性を対象とした避妊効果に関する臨床試験を実施しています。マイオバント社はレルゴリクスの他に、生殖補助医療の一環として、不妊症に対するオリゴペプチドキスペプチン1 受容体アゴニストであるMVT-602(開発コード)を開発中です。
当社はRoivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に2019年12月にマイオバント社を連結子会社化しました。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.com/ をご覧ください。

以上

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