印刷(PDF/100KB)はこちらから 2021年06月23日 医薬品

2型糖尿病治療剤「ツイミーグ」の製造販売承認取得について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、2型糖尿病治療剤「ツイミーグ®錠500mg」(一般名:イメグリミン塩酸塩、以下「本剤」)について、6月23日付けで、2型糖尿病を適応症として、日本における製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。本剤の承認は日本が世界で初めてとなります。当社は、薬価収載後に本剤を発売する予定です。

当社は、日本においてPoxel社と共同で1,100例を超える2型糖尿病患者を対象とした3本のフェーズ3試験(TIMES1、TIMES2、TIMES3)を実施し、それらの良好な試験結果等を基に、2020年7月30日に本剤の日本における製造販売承認申請を行いました。

本剤は、既存の経口血糖降下剤とは異なる構造と、2つの血糖降下作用をもつ、新しいクラスの経口血糖降下剤です。本剤は、ミトコンドリアへの作用を介して、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取込み能改善)により血糖降下作用を示すと考えられています。これまでのフェーズ2試験およびフェーズ3試験で得られた良好な有効性および安全性に関するデータに基づき、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性があります。

当社は、作用機序の異なる複数の2型糖尿病治療剤を販売しています。このたびの承認取得により、新たな治療選択肢を提供し、国内の2型糖尿病治療に一層貢献できることを期待しています。

(ご参考)

「ツイミーグ®錠500mg」の概要

【販売名】 ツイミーグ®錠500mg
【一般名】 イメグリミン塩酸塩
【規格・含量】 ツイミーグ®錠500mg:1錠中イメグリミン塩酸塩500mg
【効能・効果】 2型糖尿病
【用法・用量】 通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1,000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

「ツイミーグ®」について
本剤は、新規の化学物質クラスであるテトラヒドロトリアジン系に分類された初めての化合物です。本剤は、ミトコンドリアへの作用を介して、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取込み能改善)により血糖降下作用を示すと考えられています。本作用機序は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性があります。この特徴的な作用機序により、本剤は、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性があります。
当社は、日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9カ国を対象に、2017年10月にPoxel社より本剤を導入しました。今回の日本での製造販売承認取得により、当社は、Poxel社に開発マイルストンとして17億5,000万円を支払います。本剤の発売後は、当社はPoxel社に販売額に応じて割合が増加する2桁台の料率のロイヤリティと、販売額の目標達成に応じた販売マイルストンとして合計で最大265億円を支払う可能性があります。

TIMES試験について
TIMES(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)試験は、2型糖尿病患者を対象に日本で実施した本剤のフェーズ3試験であり、3本の臨床試験から構成されています。TIMES試験では1,100例を超える患者に本剤1回1,000mgが1日2回投与されました。

・TIMES1: 日本人2型糖尿病患者を対象とした24週間のイメグリミン単剤療法による有効性、安全性および忍容性を検討するプラセボ対照二重盲検比較、無作為化試験
・TIMES2: 日本人2型糖尿病患者を対象とした52週間のイメグリミン塩酸塩と既存の血糖降下剤(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド薬、SU薬、グリニド薬、α-GI薬、チアゾリジン薬、GLP-1受容体作動薬)との併用療法およびイメグリミン塩酸塩単剤療法による長期での安全性および有効性を検討する非盲検、並行群間比較試験
・TIMES3: 日本人2型糖尿病患者およびインスリン製剤を投与しても効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象としたイメグリミン塩酸塩とインスリン製剤との併用療法による有効性および安全性を検討する16週間のプラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験、およびその後36週間の非盲検継続投与試験

以上

報道関係者の皆さまからのお問い合わせ