印刷(PDF/162KB)はこちらから 2023年10月24日 医薬品
進行性前立腺がん治療剤「ORGOVYX」(レルゴリクス)のカナダにおける承認取得について
住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)のカナダ子会社であるSumitomo Pharma Canada, Inc.(以下「Sumitomo Pharma Canada社」)は、このたび、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体阻害剤の「ORGOVYX®(オルゴビクス)」(販売名、一般名:レルゴリクス、以下「本剤」)について、カナダ保健省より、進行性前立腺がんを適応症としたカナダで初めてかつ唯一の経口GnRH受容体阻害剤として承認を取得したことを、2023年10月23日(現地時間)に発表しましたので、お知らせします。
Sumitomo Pharma Canada社は本剤を2023年度第4四半期にカナダで発売する予定です。
このたびの承認は、少なくとも1年間の継続的なアンドロゲン除去療法(ADT)を受けていたアンドロゲン感受性の進行性前立腺がん患者1,000人以上を対象に本剤の安全性および有効性を評価した、ランダム化、オープンラベル、並行群間、国際共同フェーズ3試験(HERO試験)のデータに基づいています。HERO試験では、標準療法であるリュープロレリン酢酸塩の注射剤と比較して、本剤は48週間にわたって持続的にテストステロンの去勢レベル(<50ng/dL)への抑制を有意に示し、主要評価項目を達成しました。本剤投与群で発現割合が高かった有害事象(10%以上)は、ホットフラッシュ、筋・骨格系の痛み、倦怠感、便秘、軽度から中等度の下痢でした。
University of Montreal(モントリオール大学)の外科教授 兼 会長であり、泌尿生殖器腫瘍科部長であるFred Saad(フレッド・サード)医師は、次のように述べています。「カナダの男性のおよそ8人に1人が生涯のうちに前立腺がんを発症しています。主にADTによってテストステロンを抑制することは、この疾患の進行期における基本的な治療となります。HERO試験では、本剤はリュープロレリンと比較して、迅速、持続的かつ大幅なテストステロンの抑制を示しました。本剤はカナダで初めての1日1回経口投与可能なADTとなり、カナダにおける進行性前立腺がん患者さんに安全で効果的な選択肢の提供が可能となります」
Sumitomo Pharma Canada社のGeneral ManagerであるLisa Mullett(リサ・マレット)は、次のように述べています。「カナダ保健省による本剤の承認をうれしく思います。私たちは、カナダにおける進行性前立腺がん患者さんの治療選択肢の拡大に努めており、2024年早々にカナダ全土の患者さんに本剤を提供できるよう取り組んでいきます」
ご参考
進行性前立腺がんについて
前立腺がんはカナダの男性にみられる最も一般的ながんであり、2023 年には24,700 人が罹患すると推定されています。前立腺がんは、初期治療後に転移または再発した場合に進行性とみなされ、生化学的再発(画像検査で転移が認められず前立腺特異抗原(PSA)が上昇する)、局所進行または転移を伴います。 進行性前立腺がんの一次治療には、テストステロンを去勢状態(<50ng/dL)まで強力に抑制するADTが選択され、リュープロレリン酢酸塩などの徐放性製剤などの黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体アゴニストが、現在の標準治療です。一方、LHRH受容体アゴニストは、症状悪化につながる恐れがあり、フレア現象とも呼ばれている治療初期のテストステロン上昇や薬剤中止後のテストステロン回復の遅延など、薬剤の作用機序に起因する望ましくない現象が示唆されています。
ORGOVYX®(オルゴビクス)について
本剤は、米国食品医薬品局(FDA)、欧州委員会およびカナダ保健省によって、成人の進行性前立腺がんを適応症として承認された初めてかつ唯一の経口GnRH受容体阻害剤です。本剤は、GnRH受容体を阻害して、前立腺がんの増殖を刺激することが知られている精巣でのテストステロンの産生を減少させます。
以上
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