印刷(PDF/124KB)はこちらから 2024年03月15日 ライセンス
精神神経領域で開発中のウロタロントを含む4つの新薬候補化合物について全世界を対象とした開発および販売提携に関するライセンス契約改定のお知らせ
当社およびその米国子会社であるSumitomo Pharma America, Inc.(以下「SMPA社」)は、本日(3月15日)、大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上 眞、以下「大塚製薬」)との間で2021年9月30日に締結した、精神神経領域で開発中のウロタロントを含む4つの新薬候補化合物の全世界を対象とした共同開発および販売に関するライセンス契約を改定しましたので、お知らせします。
1.契約改定の主な内容
- 対象としていた4化合物のうちSEP-4199およびSEP-378614はライセンス契約の許諾対象から外れ、SMPA社は大塚製薬に対し、ウロタロントおよびSEP-380135の全適応症について、全世界における開発、製造および販売を独占的に行う権利を許諾する。
- SMPA社は、ウロタロントおよびSEP-380135の開発に応じたマイルストンとして最大30百万米ドル(約45億円)および売上に応じたロイヤリティを大塚製薬から受け取る可能性がある。
- 契約改定に係る契約一時金は発生しない。一部の試験を除き、現在、住友ファーマグループおよび大塚製薬が実施している試験の2024年1月以降の費用は大塚製薬が全額負担する。
なお、SEP-4199およびSEP-378614の今後の開発方針については住友ファーマグループで検討中です。
2.契約改定の目的
住友ファーマおよびSMPA社は、重点疾患領域である精神神経領域においてウロタロントをはじめとする新薬候補化合物について、大塚製薬と共同開発を進めてきましたが、現在の状況では中期経営計画2027(2023~2027年度)においてこれらの化合物を収益に結び付けることが難しくなりました。この状況を踏まえ、住友ファーマグループとしては、開発優先品目の見直しを図り、中期経営計画2027中での上市が期待できるがん領域および再生・細胞医薬事業の開発プログラムを最優先に注力し、ウロタロントおよびSEP-380135の開発を大塚製薬に委ねることとしました。
3.業績に与える影響
契約改定による当社の2024年3月期連結業績に与える影響は軽微です。
※本件に関連するプレスリリースとして、以下を開示しています。
- 精神神経領域で開発中の4つの新薬候補化合物について全世界を対象とした開発および販売提携のお知らせ(2021年9月30日)
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/assets/pdf/ne20210930.pdf - ulotarontの統合失調症を対象としたフェーズ3試験(DIAMOND 1試験およびDIAMOND 2試験)の解析結果の速報について(2023年7月31日)
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/assets/pdf/ne20230731.1.pdf
ご参考
ウロタロントについて
ウロタロントは、セロトニン 5-HT1Aアゴニスト活性を持つTAAR1(微量アミン関連受容体1)アゴニストです。現在、統合失調症、大うつ病補助療法(aMDD)および全般不安症(GAD)を対象として開発中です。
本剤は、2019年5月に統合失調症の適応で米国食品医薬品局(FDA)からブレイクスルーセラピー指定を受けています。本剤は、統合失調症患者さんを対象にフェーズ3試験を実施している初めてかつ唯一のTAAR1アゴニストです。
また、aMDDおよびGADを対象としたフェーズ2/3試験も実施中であり、これらを対象とした臨床試験は TAAR1アゴニストとしては初めてとなります。
SMPA社は、in vivo表現型SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能(AI)アルゴリズムを使用して、PsychoGenics社と共同で本剤を創製しました。
SEP-380135について
本剤は、SMPA社とPsychoGenics社が共同で創製した中枢神経系に作用する低分子経口剤であり、米国においてフェーズ1試験を実施中です。SMPA社は、in vivo表現型SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用してPsychoGenics社と共同でSEP-380135を見出しました。非臨床試験において、焦燥、攻撃性、精神運動多亢進、うつなどの認知症に伴う行動・心理症状に対して有効性を示すことが示唆されています。
以上
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