印刷(PDF/207KB)はこちらから 2024年12月24日 医薬品
「GEMTESA」の米国における薬物治療中の前立腺肥大症を伴う過活動膀胱の適応追加承認取得について
住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:木村 徹)の米国子会社であるSumitomo Pharma America, Inc.は、β3アドレナリン受容体作動薬「GEMTESA®錠75mg」(販売名、一般名:ビベグロン、以下「本剤」)について、米国食品医薬品局(FDA)より、薬物治療中の前立腺肥大症(BPH)を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症とした1日1回投与の治療剤として承認を取得したことを、2024年12月23日(現地時間)に発表しましたので、お知らせします。
本承認により、本剤は、薬物治療中のBPHを伴うOABを適応症として米国で承認された唯一のβ3アドレナリン受容体作動薬となります。
BPHは、加齢とともに男性に多く見られ、BPHに関連する可能性のあるOABの症状は、加齢とともに起こる症状の一部と誤解されることがあります。米国にはBPHを患う患者が約1,400万人おり、そのうち最大75%にOABの臨床症状が見られます。特にBPHを患っている患者の場合、OABの症状に気付かないことがあり、実際、男性のOAB症例の約80%は診断されていない可能性があります。
FDAによる本剤の承認は、薬物治療中のBPHに伴うOAB症状のある男性約1,100人を対象に、24週間にわたって本剤投与群とプラセボ投与群を比較したフェーズ3試験(URO-901-3005試験)の結果に基づいています。URO-901-3005試験では、本剤投与群は、12週目のすべての主要評価項目を達成し、プラセボ投与群と比較して、「1日あたりの平均排尿回数」および「1日あたりの平均尿意切迫感(制御が困難な突然の排尿衝動)回数」のベースラインからの変化量において統計的に有意な減少を示しました。また、追加の評価項目では、12週目に「1日あたりの切迫性尿失禁(尿意切迫感直後の意図しない排尿)回数」が減少したことが示されました。安全性については、本剤投与群において2%以上で報告され、発現率でプラセボ投与群を上回った副作用は、高血圧および尿路感染症でした。
本剤は現在、米国において、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴うOABの治療薬として承認されており、このたび、BPHを伴うOABに対する治療剤として処方することができるようになりました。
(ご参考)
GEMTESA®(ビベグロン)について
本剤は、米国において、2021年4月より、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感、頻尿の症状を伴うOABに対する適応を取得しています。本剤は、薬物治療中の前立腺肥大症(BPH)における切迫性尿失禁、尿意切迫感、頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症として、米国で2024年12月18日に承認されました。本剤は、1日1回投与のβ3アドレナリン受容体作動薬です。β3アドレナリン受容体に選択的に作用し、膀胱排尿筋を弛緩させて膀胱容量を増大させることで、OABの症状を改善します。
過活動膀胱(OAB)について
OABは、膀胱の筋肉が不随意に収縮したときに発生する症状であり、尿意切迫感(制御が困難な突然の排尿衝動)、切迫性尿失禁(緊急の排尿が必要になった直後の意図しない排尿)、頻尿(通常24時間に8回以上)などの症状を呈します。OABの症状は、加齢に伴って生じるものであると誤解されることがよくあります。米国では約3,300万人がOABの煩わしい症状に苦しんでいます。
前立腺肥大症(BPH)について
BPHは、前立腺が肥大する疾患です。症状の治療を受ける患者の多くは、BPHによる膀胱の閉塞があると考えられています。BPHの治療によって膀胱の閉塞が緩和されても、OABの症状が残る場合があります。米国では、BPHの患者の約60%が下部尿路症状(LUTS)の治療を受けています。LUTSは蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状に分けられます。BPHの患者の半数以上が蓄尿症状を、約4分の1が排尿症状を有しているといわれています。これらは、BPHと診断された患者の多くがOABを患っている可能性があることを示唆しています。
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