ファブリー病と診断されたら?
監修/大阪大学医学部附属病院 遺伝子診療部 副部長
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 生命育成看護科学講座 教授 酒井規夫 先生
ファブリー病は治療が可能です。
ファブリー病は、適切な治療や生活習慣を整えることで、病気の進行を遅らせ、またQOL(生活の質)が改善される疾患です。
しかしながら、ファブリー病の病初期は、他の一般的な病態との区別が非常に難しく、何年間も正しい診断がされない場合もあります。
一旦ファブリー病を疑えば、診断することは可能です。ご自身またはお知り合いの方にファブリー病が疑われる場合は、医師に相談して、検査を受け、早期発見につなげることが重要です。
ファブリー病と診断されたら?
ファブリー病は伝染病ではありませんが、遺伝子の変化による疾患であり、親から子に遺伝する遺伝病です。そのため、ファブリー病と診断された場合、ご家族にも影響があるかもしれません。ファブリー病は数世代に渡って受け継がれるため、近縁から遠縁まで多くの血縁者に発見される可能性があります。
一人の患者さんが新たにファブリー病と診断されると、家系分析によって、血縁者にさらに数名の患者が見つかる場合があります。このため、主治医や臨床遺伝専門医/遺伝カウンセラーに相談して、家系図を作成してもらい、検査が必要な血縁者がいるかどうかを調べることが重要です。
それによりファブリー病の可能性のある方々を早期に診断しやすくなります。
ファブリー病とは?
ファブリー病は遺伝子の変化が原因で生じる遺伝性の希少疾患です。ファブリー病の症状は患者さんによって異なり、症状の程度は様々です。心当たりのある方はすぐに医師にご相談ください。
一般的な症状は下記のとおりです。
一般的な症候
- 眼の異常
- 耳鳴りや難聴などの聴覚障害
- 発汗機能障害による頻繁な発熱
- 熱や運動に対する耐性の低下
- 腹痛や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状
- 疲労、倦怠感
- 皮膚の小さな隆起した暗赤色の斑点
- 被角血管腫
- 手足の痛み
- 灼熱感
- 心臓、腎臓および脳血管などの合併症状など