暮らし

Vol.11 小さなヤクミの、大きな役目。

 

料理の名脇役「薬味」。ただの飾りではなく、先人の知恵にもとづく有益な役目があります。

もうすぐ梅雨。ジメジメとうっとうしい季節がやってきますね。ざるそばやそうめんなど、あっさりしたものが恋しくなる季節でもあります。今回はそんな夏の定番料理には欠かせない「薬味」のお話しです。シソ、サンショウ、ショウガ…。でもこれら香辛料はなぜ、「薬味」というのでしょう?古来、これらは薬草として使用されていたからという説。役に立つという意味で「役味」とよばれていたからという説。いずれにしても、薬味はただの飾りではなく、何らかの効能をもつ有益なものといえそうです。

例えばシソ。中に含まれるペリラアルデヒドやシアニジンが防腐殺菌作用を発揮します。昔から刺身などの腐りやすい食品に多く添えられるのは、そういう効用に気付いていた先人の知恵なのでしょう。それから、鰻の蒲焼きには欠かせないサンショウ。脂っこさを消す働きがあるだけでなく、その葉っぱの絞り汁は毒虫に刺された時につければいいとされる程、解毒作用に優れています。今が旬のカツオなどによく使われるショウガにも、青魚に多い寄生虫を殺す成分があることが解っています。食欲増進作用もある薬味。この名脇役を上手に活かして、これからの季節を乗り切りましょう。

新聞掲載年月 1998年5月

住友ファーマ公式YouTubeチャンネル 健康常備学

住友ファーマでは、皆さまの「より健やかで自分らしい生活」のご参考になることを願って、健康に関する身近な話題「健康常備学」をご提供しています。
*健康常備学は、弊社が1997年6月より新聞に掲載してきたものです。本コラムの記載内容は数値や組織名等を含め掲載当時のものであり、最新の内容と異なる場合がございます。