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Vol.12 千二百年前から夏バテにはウナギ。

 

なぜ、夏バテにはウナギがいいの? ウナギを通して見えてくる、夏バテ対策のヒントとは。

「石麻呂にわれ物申す夏痩に良しといふ物ぞ鰻とりめせ」。万葉の歌人大伴家持が詠んだこの歌、「夏ヤセには、よく効くウナギを召し上がれ」という友人へのアドバイスです。千二百年も前から夏バテにはウナギがいいと知られていたことがよく分かります。日本の夏は高温多湿。汗をかきやすく水分を取り過ぎるため、消化機能が低下し、栄養不足や抵抗力の減退を招いてしまうのです。そこでウナギの出番。ウナギには消化を助け、抵抗力を高めるビタミンAが牛肉の約150倍も含まれています。科学的にみても、夏バテ対策に適しているというわけです。

ビタミンの他にも、汗で失われるミネラルの補給も忘れずに。これを怠ると胃腸の働きが鈍り、ただでさえ優れない食欲をさらに低下させることになります。トマトなら、ミネラルと水分を自然に補えますし、あの独特の酸味のもとであるクエン酸が胃を適度に刺激し、胃液の分泌を高めてくれます、カロチンが多いピーマンやかぼちゃなどは野菜妙めで、カロチンは油に溶けて吸収され、体内でビタミンAに変わるからです。旬の食べものでおいしく栄養補給。上手にスタミナをつけて、夏を元気に乗り切りましょう。

新聞掲載年月 1998年7月

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