ストレス・癒し

Vol.13 モナ・リザを微笑ませた音楽。

 

クラシックの名曲を解析すると、小川のせせらぎに似た、ある共通のリズムがありました。

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」。見る人の心をとらえてやまないその微笑の謎に、音楽療法士の井上久栄先生は、独自の面白い見解を示されています。当時、モナ・リザはひとり娘を亡くしたショックから立ち直れず、悲しみにくれる毎日。そこでダ・ヴィンチはしばし筆を持つ手を休めては、お得意のリラや横笛で彼女を励まし、ついに笑顔を取り戻させた、というのです。音楽が深い悲しみの淵から一人の女性を救ったというわけ。ダ・ヴィンチがその医学的効果を知っていたかは定かではありませんが、どうやら音楽には心や体を癒す働きがあるようです。

事実クラシックの名曲を解析すると、小川のせせらぎやそよ風と同じ「1/fゆらぎ」というリズムを示します。そしてこの「1/fゆらぎ」が私たちにリラクゼーションをもたらしてくれるのです。患者さんに手術時の緊張や不安を和らげてもらうため、手術台に体感音響装置を設置した病院もあるほどです。ご家庭でも、食事の際は、テレビを消してBGMを。音楽によるリラックスが副交感神経の働きを高め、胃腸の働きを活発にしてくれますから。季節はまさに芸術の秋。音楽と親しんで、健やかな生活を謳歌してください。

新聞掲載年月 1998年9月

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