季節は大寒。 体の芯まで冷えきって肩もガチガチ、そんな人も多いのでは。 今や肩こりは、国民病。 日本人の約7割、子供でさえ約6割が肩こりを訴えている、との調査報告もあります。 ところでこの肩こり、ひと昔前までは「肩が張る」と表現されていたことをご存知ですか。一説によると夏目漱石の小説「門」の中で使われた「石のように凝っていた」というくだりが、「肩こり」という表現のはじまりだとか。いずれにせよ、この言葉の変化の裏には、生活習慣の移り変わりが隠れているようです。
かつて、肩の痛みといえば肉体労働からくる筋肉の張りが主な原因でした。ところが近頃では、運動不足などからくる血行不良が大きな要因に。同じ姿勢で長時間デスクワーク、そんな人こそこまめに体を動かしてください。1時間に一度は、必ず首や背中の曲げ伸ばしを。またトイレに立つなどして歩くことも効果的です。第二の心臓ともいわれる足への刺激は、体全体に血流を促してくれます。そして、過剰に締めつける服や下着にも要注意。血行不良につながり、肩だけでなく全身に負担がかかりますよ。冬は肩こりの季節だなんて凝り固まらず、体をほぐして気分も血行も良好に。
新聞掲載年月 2001年1月