衣食住の工夫:食事
監修 村田美穂先生
パーキンソン病が進むと嚥下(飲み込み)障害によって、水分にむせやすくなったり、食べ物がのどに詰まりやすくなったりします。そこで、調理の際は舌でつぶせる程度の硬さにして小さく切っておきます。また、焼くより煮る方が柔らかく仕上がり、あんかけなどのとろみのついた料理は食べやすくなります。食べる際には一口の量を少なくし、口の中のものを全部飲み込んでから次のものを入れるようにします。
次のようなものは詰まりやすい、またはむせやすい食品で、食べる時には注意が必要です。
- ① 水分が少ないためパサつくもの(クッキー、カステラ、パンなど)
- ② 粘り気があるもの(もち、団子など)
- ③ 弾力があり、かみにくいもの(こんにゃく、イカ、タコなど)
- ④ 一口で口に入ってしまい丸飲みになりやすいもの(にぎり寿司、一口大のまんじゅうなど)
- ⑤ 口の中に貼り付きやすいもの(のり、わかめなど)
- ⑥ 小さくて気管に吸い込んでしまいやすいもの(豆類など)
- ⑦ かんでいるうちに、水分が出てきてむせやすいもの(高野豆腐、油揚げなど)
注意したい食べ物
梅津珠子, ほか:看護の立場から. 村田美穂編著. やさしいパーキンソン病の自己管理 改訂版. 医薬ジャーナル社, 東京, p97, 2012
パーキンソン病では、細かい動作が難しくなり、食べる動作をしにくくなります。食べやすいように工夫された自助具が市販されているので、使ってみましょう。
むせがひどくなったり食事に時間がかかるようになったりする時には、主治医の先生に相談しましょう。
食事の際の自助具のいろいろ
村田美穂監修:スーパー図解パーキンソン病. 法研, 東京, p141, 2014